英検レベル各級の目安はどれくらい?7つの級を詳しく解説

英検の各級ってどのくらいのレベル?

何級を受けたらいいかわからない…

英検って受験に役立つ?就職には?

受験や就職のために英検を受けてみようかな、と考えている方は多いと思います。しかし、英検の各級のレベルがわからない。自分は何級を受けたらいいの?と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、英検の7つの級のレベルを詳しく解説します。各級のレベルを把握し、自分は何級を受けたらいいか、ぜひ参考にしてください。

kaoru
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英検は「学校で習った英語をどれだけ理解しているか」をはかる試験です。5級から1級まで全部で7つの級があり、1級が一番難しい級となります。

この記事の著者

元英会話学校スタッフ・WEBライター

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大学では英文学を専攻。卒業後は英会話学校のスタッフとしてカウンセリング業務、大手旅行会社の海外部門勤務、塾講師、公文の先生等、子供教育関係勤務を経験。小学校英語準認定指導者資格を保有。現在はwebライターとして英語学習関連の記事を中心に活動中。自身の英語学習経験から、読者の悩みに寄りそった情報を伝えることを大切にしている。

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英検(実用英語技能検定)とは

英検は「学校教育における英語の習熟度」をはかる試験

英検は、日本英語検定協会が行う「学校教育における英語の習熟度」をはかる試験です。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能の力をはかります。5級〜1級まで全部で7つの級があり、級によって試験の内容が違います。各級とも「受かったか受からなかったか」の合否判定となります。 

英検の一番の特徴は、日本国内における知名度の高さと言えるでしょう。英検は学校で習った英語の習熟度をはかる試験ですので、学校における成績として認知されます。上位の級を取得すれば日本国内での進学や単位取得、就職などで優遇されるメリットもあります。

その反面、海外での認知度はあまり高くなく、評価の対象になりにくいというデメリットもあります。外資系企業や海外赴任など、ビジネスでアピールしたい場合はTOEICやTOEFLのほうが有効と言われています。 

英検合否の判定方法

英検には「CSEスコア」と呼ばれるスコアがあり、各級ごとに決められた合格基準スコアに基づいて合否の判定がされます。各級ごとの合格基準スコアは固定値で決められていて、1点でも足りないと合格にはなりません。単純に「正解数X何点」と言う計算方法ではないため、受験者が自分で採点をすることはできません。

リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの各技能ごとに問題数は違いますが、スコアは各技能に均等に振り分けられています。そのため、合格するには、どの技能もバランスよく点を取ることが必要となります。例えばリスニングとリーディングで満点を取っても、スピーキングが0点では不合格となります。

CSEスコアの算出方法や合格の基準点については、明確にはされていませんが、過去の実績から大体60〜70%取れれば合格と言われています。CSEスコアの詳しい内容については、日本英語検定協会が出している下記サイトをご参照ください。

英検は2024年度からリニューアル

英検は2024年度の試験からリニューアルされています。このリニューアルは、単なる知識や技能の習得だけでなく、実際のコミュニケーション力、判断力や表現力の強化を目的としています。これからの時代にそった、より実践的な英語力が求められると言えるでしょう。

CSEスコアの算出方法や合格基準点に変更はないとされていますが、問題数や試験時間が変更となります。受検を考えている方は、忘れずに下記サイトをチェックしておきましょう。 

英検レベル7つの級を詳しく解説

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この章では、英検各級のレベルと試験の形式を詳しく解説します。過去問も紹介しますので、実際に解いてみながら、自分に合った級を探してみてください。

英検5級は中学英語初級レベル

英検5級は中学英語初級レベルです。中学1年生で習う文法、単語の理解が目安となります。必要な語彙数は約600語と言われ、試験で扱われるのは家族や趣味、スポーツなど身近な話題が中心となります。簡単な単語と文法は読めて聞き取れますが、英語でのコミュニケーションはまだむずかしいレベルです。

英検5級の問題

5級のリーディングでは、空所補充問題と単語の並び替え問題が出題されます。

実際の5級の試験で出された問題を下記に紹介しますので、ぜひ解いてみてください。

5級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検5級の試験概要 

 測定
技能
時間問題話題
一次
試験
リーディング25分25問家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告など
 リスニング20分25問
   スピーキングテストは任意で受験可能。5級の合否には関係しない。

英検4級は中学英語中級レベル

英検4級は中学英語中級レベルです。中学2年生で習う文法、単語の理解が目安となり、必要な語彙数は約1,300語に増えます。家族や趣味、スポーツなどに加え、海外の文化など話題も広がります。理解できる単語と文法も増えるので、少し長い文にも対応可能でしょう。ゆっくりと話される短い文は聞き取れますが、自分で話せるのは限られた短い文にとどまります。

英検4級の問題

4級のリーディングでは、空所補充問題と単語の並び替え問題に加え、長文の内容一致問題が出題されます。実際の4級の試験で出された問題を下記に紹介しますので、ぜひ解いてみてください。

4級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検4級の試験概要 

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング35分35問家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化など
 リスニング35分35問
   スピーキングテストは任意で受験可能。4級の合否には関係しない。

英検3級は中学卒業レベル

英検3級は中学卒業レベルです。中学3年生までに習う文法、単語の理解が目安となり、高校受験対策として、3級を取得することが目安とされています。必要な語彙数は約2,100〜2,500語となり、これは最低限の日常会話に必要な語彙数と言われています。

試験では、身近な話題のほか海外の文化や歴史なども出題されるようになります。ライティング問題も出題されますので、比較級、不定詞など基本的な文法は全て理解している必要があります。また、3級からは面接(スピーキング)試験が必須となります。面接は英語の音読をしたり、面接官の質問に英語で答える形式ですので、自分で英文を作って話す力が必要になります。

英検3級の問題

3級のリーディングでは、空所補充問題、単語の並び替え問題、長文の内容一致問題が出題されます。ややむずかしい熟語も出題されますので、中学英語の総復習をしてのぞみましょう。実際の3級の試験で出された問題を下記に紹介しますので、ぜひ解いてみてください。

3級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検3級の試験概要

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング65分31問 *ライティング1問含む家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化、人物紹介、歴史など
 リスニング25分30問
二次試験スピーキング(面接)5分 携帯電話、ラジオを聴く、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季など身近な話題
    

英検準2級は高校中級レベル

英検準2級は高校中級レベルです。高校1〜2年生までに習う文法、単語の理解が目安となり、必要な語彙数は約3,600〜4,000語と一気に増えます。日常生活に必要な英語を理解し、実際に使えることが求められるレベルです。

試験では、教育、自然環境などの基本的な時事問題が出題されるようになりますので、ニュースなどをチェックし、基本的な知識を養っておく必要があります。ライティング問題も2題に増えますので、日頃から日本語で考えたことを英語に訳す練習をしておきましょう。面接では渡された課題についての質問のほか、受験者自身の考えを述べる問題もあり、自分の考えや理由を英語で説明する力が求められます。

英検準2級は、大学によっては入試の際に優遇される場合があります。また、履歴書に書いてアピールできるのは準2級からと言われており、就職対策としても有効です。

英検準2級の問題

準2級のリーディングは、空所補充問題、長文の内容一致問題、長文穴埋め問題などが出題されます。日常会話ではあまり使わない単語も出題されますので、注意が必要です。実際の準2級の試験で出された問題を下記に紹介しますので、ぜひ解いてみてください。

準2級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

英検準2級の試験概要 

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング80分31問 *ライティング2問含む学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、 道案内、海外の文化、人物紹介、歴史、教育、科学、自然・環境など
 リスニング25分30問
二次試験スピーキング(面接)6分 ホームシアター、ボランティアガイド、電子辞書、食品フェア、映画祭など日常生活
   大学入試での優遇、就職対策(履歴書に書ける)

英検2級は高校卒業レベル

英検2級は高校卒業レベルです。高校英語の基礎をひと通り理解できていることをアピールできます。必要な語彙数は約5,100〜5,800語となり、文法では使役動詞や分詞構文などの知識が問われます。英検2級は社会生活に必要な英語を理解し、さまざまな場面で使えることが求められるレベルと言えるでしょう。

試験では、教育、自然環境などの基本的な時事問題に加え、医療やテクノロジーなど社会性のある問題が出題されるようになります。日頃からニュースなどをチェックし、幅広い知識を養っておく必要があります。ライティング問題は2題あり、長文の要約や自分の意見・理由を答える形式です。内容、構成、語彙、文法の4つの採点基準で判断されますので、過去問などで2級用の対策をしましょう。面接では準2級と同様、渡された課題についての質問のほか、受験者自身の考えを述べる問題もあり、自分の考えや理由をより高度な英語で説明する力が求められます。

英検2級は、大学共通テストでの優遇、大学入試での優遇、単位認定、留学での優遇など、さまざまなメリットがあります。就職対策としても、英語の基礎ができているとアピールできます。

英検2級の問題

2級のリーディングは、空所補充問題、長文の内容一致問題、長文穴埋め問題が出題されます。単語のレベルが高くなりますので、しっかりとした対策が必要です。ライティングでは2024年度リニューアルから要約問題が追加されました。短い文章を読んで、45語~55語程度で要約する問題です。実際の過去問は以下のサイトをご参照ください。

英検2級の試験概要

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング85分33問 *ライティング2問含む学校、仕事、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、海外の文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネスなど
 リスニング25分30問
二次試験スピーキング(面接)7分 環境にやさしい素材、オンライン会議、屋上緑化、ペット産業、新しいエネルギー、サプリメントなど社会性のある話題
   大学入学の優遇、共通テスト対策、大学単位認定、留学認定、就職対策

英検準1級は大学中級レベル

英検準1級は大学中級レベルです。一般的に難関大学と呼ばれる大学の入試レベルにあたります。必要な語彙数は約7,100〜7,600語となり、「社会生活で求められる英語を十分に理解し、また使用することができる(英検公式サイト)」と言われています。実際に使える英語力として高く評価され、留学などでも困らないレベルと言えるでしょう。

試験では、医療やテクノロジーなどのほか、「レストランにおける喫煙」など、高い社会性のある問題が出題されるようになります。日頃からニュースなどをチェックし、幅広い知識と自分で考える習慣をつけておきましょう。準1級では、高校英語や大学共通テストには出てこないような難解な単語が多くなりますので、単語力の強化が必須です。面接では準2級と同様、渡された課題についての質問のほか、受験者自身の考えを述べる問題もあり、自分の考えや理由をより高度な英語で説明する力が求められます。

英検準1級は、大学共通テストでの優遇、大学入試での優遇、単位認定、留学での優遇など、さまざまなメリットがあります。就職対策としても、英語力の高さをアピールできます。

英検準1級の問題

準1級のリーディングは、空所補充問題、長文の内容一致問題、長文穴埋め問題が出題されます。実際の過去問は以下のサイトをご参照ください。

英検準1級の試験概要

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング90分33問 *ライティング2問含む社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など
 リスニング30分29問
二次試験スピーキング(面接)8分 在宅勤務、レストランでの喫煙、チャイルドシート、住民運動、キャッチセールス、護身術など社会性の高い話題
   大学入学の優遇、共通テスト対策、大学単位認定、留学認定、就職対策、公務員試験の加算

英検1級は大学上級レベル

英検1級は大学上級レベルです。海外出張や海外赴任にも対応ができ、「世界で活躍できる人材の英語力を証明できる(英検公式サイト)」とされています。必要な語彙数は10,000語以上〜となります。TOEICに換算すると950点以上に匹敵するとも言われており、その難易度の高さがわかります。

試験では芸術、文化、科学、医療、テクノロジー、政治などさまざまな分野が扱われます。日本語でもむずかしいアカデミック(学問や教育関連)な内容が出題されますので、1級対策用の難易度の高い語彙力が必須となります。面接では2分間のスピーチがあり、豊富な語彙力と正確な文法を使った「相手に伝える発信力と対応力」が求められます。

英検1級は、大学共通テストでの優遇、大学入試での優遇、単位認定、留学での優遇のほか、就職対策としても、英語力の高さを評価されます。とくに通訳案内士(ガイド)試験では外国語(英語)の筆記試験が免除されるので、通訳案内士を目指している方はぜひ取得を狙いたい資格です。 

英検1級の問題

英検1級のリーディングでは、空所補充問題、長文の内容一致問題、長文穴埋め問題が出題されます。ライティングでは、与えられたトピックについて200〜240字程度でエッセイを書くことが求められます。英文が長文となるため、実際の過去問は以下のサイトをご参照ください。

英検1級の試験概要

 測定
技能
時間問題話題
一次試験リーディング100分37問 *ライティング2問含む社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など
 リスニング35分27問
二次試験スピーキング(面接)10分 科学の発展は常に有益か、芸術への財政的支援増加の是非、世界経済における日本の役割など、社会性の高い幅広い話題、アカデミックな話題
   大学入学の優遇、共通テスト対策、大学単位認定、留学認定、就職対策、公務員試験の加算、通訳案内士試験の筆記免除

英検レベル各級の目安まとめ

この記事では、英検の7つの級のレベルを解説しました。

  • 【5級】中学英語初級レベル
  • 【4級】中学英語中級レベル
  • 【3級】中学卒業レベル
  • 【準2級】高校中級レベル
  • 【2級】高校卒業レベル
  • 【準1級】大学中級レベル
  • 【1級】大学上級レベル

まずは、自分が現在どのレベルにいるのか、何級を受ければいいのかを把握しましょう。各級の試験内容も紹介しましたので、これから受験を考えている方はぜひ参考にしてください。また、英検対策ができるオンライン英会話サービスをご検討の場合は、記事にあるおすすめサービスをいくつか試してみてください。

英検は「学校教育における英語の習熟度」をはかる試験です。上位の級を取得できれば、日本国内での進学や就職にとても役立ちます。いっぽう、外資系企業や海外赴任などへのアピールなら、TOEICやTOEFLのほうが重視される場合もあります。ご自分の目的によって使い分けることが大切です。

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この記事を参考にして、ぜひ英検にチャレンジしてみてください。