【嶋津幸樹グローバルコミュニケーション論①】世界中で使える!「超」英会話コミュニケーション力とは?

海外で友達がつくれるか不安です

会話の輪に入れなくて、辛い思いをしました

海外で働いたり、海外留学したりすることを楽しみに、一生懸命に英語を学んでいる方は多いのではないでしょうか。実際に海外で夢を叶えている方もたくさんいらっしゃいますが、一方で、初めての海外挑戦に不安を抱いたり、辛い思いをしたという声を聞いたことがある方も多いと思います。

この連載記事では、嶋津幸樹先生の著書『世界中で使える 超英会話コミュ力』をもとに、実際に嶋津先生に監修いただいて、世界で通用するコミュニケーションの方法についてご紹介をしていきます。

連載第1回目のこの記事では、そもそも世界中で使える「超」英会話コミュニケーション力とは何か?について、嶋津先生の実際の体験談も交えながらご紹介します。

この記事の監修者

英語教育起業家

嶋津幸樹

1989年山梨県生まれ。17歳の時に海外進学塾を創業。青山学院大学文学部英米文学科卒。ロンドン大学教育研究所応用言語学修士課程修了。ケンブリッジ大学認定英語教授資格CELTA取得、IELTS 8.0取得。Pearson ELT Teacher Award 2017受賞。大学講師やIELTS講師として活動中。英字新聞ジャパン・タイムズAlpha連載、ブリティッシュ・カウンシル公認IELTSエキスパートとして記事の執筆。著書は15冊以上。

グローバルな環境で生き延びるために必要なスキルとは?

「英語ができれば、海外で不自由なくコミュニケーションがとれる」

皆さんも、このように考えてはいないでしょうか。ところが、実際に海外に挑戦している方々のお話を伺うと、「英語試験のスコアは高いのに、全く相手にしてもらえなかった」という経験をしている方が多くいます。

海外に留学したり、就職やワーキングホリデーをしたりすると、様々な場面で現地の方々と話す機会があります。

  • 大学の授業で会うクラスメートとの挨拶
  • 友人宅での食事
  • パーティやパブでの会話
  • お祝いの場

このような場面で、ぎこちない対応をされたり、目も合わせてもらえなかったりと、辛い経験をしたというお話を耳にするのです。

嶋津先生
嶋津先生

私自身も、イギリス留学中に同様の経験をしました。自分だけがfeel out of the fish. な雰囲気にひとり立ちすくみ、もじもじする自分はスマホをいじるしかありませんでした。

なぜ、英語ができても、このようなことが起きてしまうのでしょうか?それは、あらゆるシチュエーションで必要な振る舞いや文化的知識、暗黙の社会ルールがあるからです。このギャップを埋めるには、次のことが大切になります。

世界の常識と日本の常識、グローバルとローカルの違い、グローバルなバックグラウンドを持つ人々と議論・協働すること、相手の文化を尊重し、理解し、受け入れ、自分自身の意見を表明すること。

これらを、3つの顕著な特徴にそって整理したものが、グローバルな環境で生き延びるために必要なスキル、「グローカル3技能」です。

嶋津先生
嶋津先生

イギリス留学で学んだことを元に、これまで3 万人以上の中高生にグローバルで通用するスキルとは何かを考える研修や教育プログラムを実施しました。その中で、3つの顕著な特徴「グローカル3技能」を発見することができました。

「超」英会話コミュニケーション力:グローカル3技能

出典:『世界中で使える 超英会話コミュ力

①【自分軸】自己理解、メタ認知、目標設定、現在地、アイデンティティ

「グローカル3技能」の1つめは、「自分軸」です。自分のことを深く理解し、メタ認知できる力、そして目標設定と振り返りを通して自己調整できる力です。自分のストーリーを語ることができるスキルとも言えます。

単なる自己紹介ではなく、自分を深く理解し、なぜここにいるのか、なぜその仕事をしているのか、どう社会に貢献しているのか、将来どのような世界を夢見ているか。これまで、どのような目標を設定し、自分の得意・不得意を認識し、何を成し遂げてきたのか。日本語でも英語でも自分に対する「なぜ」に対して回答できることが重要なのです。

海外の方々に共通していることは、単に英語ができるということだけでなく、自分の人生ストーリーを母国語でも英語でも語ることができるということです。彼らの話を聞けば聞くほど引き込まれていきそうになります。

自分の現在地を知り、客観的に自分を見つめ、目標設定と振り返りを繰り返すことができるスキルが彼らにとってのスタンダードなのです。グローバルを知るためにはローカルを知ることが大切です。

嶋津先生
嶋津先生

世界に出て初めて新しい価値のある自分に出逢えます。グローバルコミュニケーションは「英語ができること」ではなく、「自分自身を深く知ること」、「自国の文化を深く理解すること」が最初の一歩となります。

②【他者軸】思いやり、協働、利他主義、感謝する力

「グローカル3技能」の2つめは、「他者軸」です。一言でいうと、多様な背景を持った人々と対等に議論・協働・共創する力になります。

多様な背景を持った人々というのは国籍、階級、職業、教育、性別などが異なる相手のことを指し、彼らのことについて知り理解すること、そしてステレオタイプを捨てて多様性を受け入れることがグローバルコミュニケーションの前提条件となります。理解、想像、思いやりが不快感を与えず安心感を与えることが重要です。

嶋津先生
嶋津先生

協働する上ではグランドルールの設定が重要であり、共通の価値観や考え方をすり合わせ、共有文化(Shared Culture)を持っていることも大切。他者と異なることを明確化することが重要ではなく「すり合わせる」ことが重要なのです。

また、世界に共通する利他主義(Altruism)という概念についても、グローバルコミュニケーションの基本として考えておきましょう。自分軸を確立しながらも、他者のために行動すること、感謝されることは言語や文化を超えた人間の根本にあるコミュニケーションの本質です。

嶋津先生
嶋津先生

人のためを想った気遣いや恩義を意識した発言はグローバルコミュニケーションの礎とも言えるでしょう。

③【社会軸】知識、教養、異文化理解

「グローカル3技能」の3つめは、「社会軸」です。社会のこと、世界のことを考え、自分の意見や見解を述べる力、自国や世界の文化や歴史、政治や経済まで幅広く関心を持つこと、多様な文化に対して柔軟に理解し受け入れる力になります。相手の文化や世界について興味を持っていることとも言えます。

様々な国の人たちで話す機会があるときに、「日本人だけが言えない」という事象が起きることがあります。英語だからできないというよりも、日本語でも自国の文化について語れないのです。このようなことが起きないように、私たちが共有する社会や文化に関心を持ち、相手と分かち合えるようにしていくことが、グローバルコミュニケーションでは大切になってきます。

嶋津先生
嶋津先生

皆さんは、日本の文化や歴史、政治経済、社会問題、世界の偉人や宗教についてどれだけ認識し、自分の経験や意見を英語で語ることができますか?これらは雑談とも言われますが、世界の知識教養として知っておかなければならない常識です。

また、グローバルコミュニケーションにおいては、批判的思考力(Critical Thinking Skills)も重要な力になります。「論理的・科学的・客観的に情報をクライテリアに基づいて取捨選択し、評価し、判断する能力」です。英語で一次情報にアクセスすることはもちろん、正しいデータやエビデンスを持って判断していくことがますます求められるでしょう。

嶋津先生
嶋津先生

リンガフランカの時代、アメリカ英語やイギリス英語が世界の基準ではなくなり、第二言語として英語を話す人々が増え続けています。英語の枠組みを超えて、自分の意見を表明できたり、世界のことについて対等に議論できたりする力を養いましょう。

「グローカル3技能」の伸ばせるパーソナル英会話「フライト英会話」

フライト英会話では、ひとりひとりの会話に寄り添い、意味のある深いコミュニケーションを通して、あなたの英語を暗示的に正しい英語に直していく「リキャスト」を行います。また、講師たちはチーム担任制のため、顔なじみになって会話を深めていくことで、自分軸の理解を深めたり、他者軸、社会軸で会話をすることができるでしょう。

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まとめ:グローカル3技能があってこそ、英語力が生きる

この記事では、「超」英会話コミュニケーション力について、解説してきました。

  • 【自分軸】自己理解、メタ認知、目標設定、現在地、アイデンティティ
  • 【他者軸】思いやり、協働、利他主義、感謝する力
  • 【社会軸】知識、教養、異文化理解
嶋津先生
嶋津先生

世界と日本とのマインドの差を言語化して、整理したものが「自分軸」「他者軸」「社会軸」です。これを自分や自国を意味する「ローカル」と他者や世界を意味する「グローバル」とかけ合わせた「グローカル3技能」と名付けました。

【嶋津幸樹グローバルコミュニケーション論】連載シリーズでは、今回ご紹介した「超」英会話コミュニケーション力を身につけるために、グローバルコミュニケーションのルールや、「自分軸」「他者軸」「社会軸」ごとの英語表現を紹介していきます。

嶋津先生
嶋津先生

グローカルマインドを押さえたうえで、自分に合った自分らしい英語表現を見つけるきっかけにしていただければ幸いです。

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