オンライン英会話の効果を期間ごとに解説!初心者が感じる成果の実例、効果の出る学習法

オンライン英会話の効果を最大限に活用するためには、学習の期間に応じた目標設定と方法が大切です。異なる期間にはそれぞれ異なる学習成果が期待され、学習者がどの程度の時間を英会話に投資するかによって、得られるスキルや知識の深さが変わってきます。

ここでは、短期間から長期間にわたる学習の過程で期待される具体的な効果について解説します。短期間、中期間、長期間のそれぞれで、どのような進捗が期待できるのか、具体的な学習の成果を見ていきましょう。

また、オンライン英会話の学習効果を高めるための学習方法についても詳しく解説します。

各期間の目標と成果を理解することで、いま自分がどの段階にいるのかを把握し、次のステップへ進むための計画を立てるのに役立てましょう!

この記事の執筆者

言語教育者

Himeru

日本で大学卒業後、韓国に渡り、日本語教育学博士号取得。専門は日本語言語学・日本語教育学である。韓国の様々な都市で、中等教育、高等教育機関で、講師を10年以上務める。数年前にドイツに移住し、日本語、韓国語、ドイツ語学習のためのアカデミーを設立する。現在は、ドイツ語、韓国語、英語話者としての海外経験と語学スキルを活かしながら、日本語及び韓国語教育、教材研究、人材育成に携わっている。

オンライン英会話の効果を期間ごとに解説!初心者が感じる成果の実例

①短期間(目安期間:1ヶ月から6か月)での効果

具体的な効果の実例
・英会話の抵抗がなくなる

・簡単な英語であれば聞き取れるようになる

・単語ではなく、簡単な「文」で話せるようになる

この期間では、日常会話における基本的な挨拶や一般的なフレーズの習得に重点を置きます。具体的には、「Hello, how are you?」、「Thank you」、または「Can you help me?」などの表現を習得し、それらを実際の会話の中で自然に使えるようにトレーニングします。また、基本的な日常会話においてよく使われる質問や応答の形式、簡単な説明や指示を理解し、適切に反応する能力を育成します。

加えて、基本的な英文をつくるための英文法の運用力を身につけます。センテンス・コンストラクションをいって、英文を組み立て、発話するためのアウトプットトレーニングを行っていきます。日本の中学校レベルの英文法知識があれば、大方の英文はつくることができますが、それをパッとアウトプットするためには、そのための脳の回路のトレーニングが必要です。オンライン英会話では、その反復練習によるアウトプット脳を鍛えることができます。もしも、中学校レベルの英文法知識に不安がある場合は、学び直しの教材で一度見直しを行うことも有効です。

加えて、この時期には、英語のリスニングと発音の基礎も集中的に強化されます。オンラインのレッスンでは、外国人の講師が発する自然な英語に耳を慣らし、基本的なリズムやイントネーションを学びます。これは、聞き取り能力の向上だけでなく、発音の正確さを高めるのにも役立ちます。

これらの学習を通して、最初の半年間では、実際の英語の使用において自信を持ってコミュニケーションを取るための基盤を築きます。最初に基礎固めを行うことで、効率的な学習方法を身につけ、その後の長期的な学習へのスムーズな移行を助けることができます。

②中期間(目安期間:6ヶ月から1年)での効果

具体的な効果の実例

・長い英文や短い説明などを聞き取れる

・身近な話題について会話ができるようになる

・ニュアンスも伝わるように1文を長く詳しく話せるようになる

オンライン英会話を利用して英語力を向上させる事例は数多く報告されています。特に100時間の学習後にその成果を実感し始める人が多いと言われています。

具体的な効果として、日常会話でよく使う表現を学び、それによりスムーズに会話ができるようになったとの声が多く挙がっています。また、ビジネス英語を練習することによって、職場でのコミュニケーションが改善されたという口コミが寄せられています。

中期の学習段階では、基本的な会話スキルをさらに発展させ、より高度なコミュニケーションスキルに挑戦します。この時期には、複雑な文法構造や専門的な言葉を学びます。具体的には、文法の正確さに注目し、英語の文の並びや時制、条件文などを重要視します。

時制が伴った文章の例文を見てみましょう。次の文章は、過去の出来事について、話したい時に用いる表現です。

過去完了の例文

“She had already left when I arrived at the party.”(私がパーティーに到着したとき、彼女はすでに去っていました。)

“By the time we got to the cinema, the movie had started.”(私たちが映画館に着いた時、映画はすでに始まっていました。)

“I had completed the report by the deadline.”(私は期限までにレポートを完成させていました。)

これらの例文は、過去のある時点より前に完了した行動を表すことができます過去完了時制は、時間の流れを明確に示し、話の中で異なる時点を関連づけるのに役立ちます。

次は未来の出来事について、話したい時に用いられる表現です。

未来を表す表現の例文

“I will be starting a new job next week.”(来週、新しい仕事を始めます。)

“We will be moving to a new house next month.”(来月、新しい家に引っ越します。)

“She will be traveling to Europe for business in the fall.”(彼女は秋に仕事でヨーロッパに旅行する予定です。)

これらの未来を表す表現の例文は、予定されている未来の行動や出来事を示すのに使用され、計画や意図、確実に起こると予想されることを表現する際に非常に有効です。

これらの文法構造を実際の例文で学ぶことにより、言語学習者は自然な英語表現を身につけ、より流暢で正確な英語を話すことが可能になります。さらに、日常生活でよくあるシナリオを使ったロールプレイやディスカッションを通じて、専門的な話題についての意見交換の練習をします。具体的には、環境問題やグローバル経済などのテーマに対して、自分の意見を英語で述べたり、他人の意見に質問したり反論したりする練習をします。

この段階での学習は、外国人講師との実際の会話を通じて、自然な言葉のリズムと流暢さを身につけ、実践的な言語運用能力を向上させていきます。

③長期間(目安期間:1年以上)での効果

具体的な効果の実例

・ニュースやドラマなどを聞き取れる

・会話をスムーズに行える

・長い会話や説明ができる

長期間の英語学習では、さまざまな英語圏の文化や言い回しに触れることで、言語の細かな違いやニュアンスを深く理解し、自分の英語力を向上させます。長い期間英語に親しむことで、論理的な議論を英語で行う能力や、専門的な内容を深く掘り下げる能力が身につきます。

また、アカデミックなエッセイの執筆やプレゼンテーションスキルも向上し、英語での学術的な議論が可能になります。自然な英語表現を身につけることで、英語での思考がしやすくなり、英語の映画やドキュメンタリー、ニュースを字幕なしで理解することや、英語圏の文学作品や専門書を原文で読むことができるようになります。長期的な学習により、さらに流暢に表現できるようになり、国際的な活動もスムーズに行えるようになります。

このような長期間の学習の効果として、自然なスピードの英語を聞き取れたり、長く複雑な内容を話せたりといった実感を持てるようになります。

効果が出る!オンライン英会話の学習法

ここまでで、オンライン英会話の効果を確認してきましたが、ただ漫然とオンライン英会話を受講していれば、成果が出るというわけではありません。

学習の効果を出すためには、どうすればよいのでしょうか?

効果が出るオンライン英会話の学習方法を具体的に紹介していきますね!

①積極的にアウトプットを行う

オンライン英会話は、リアルタイムでのフィードバックが可能な学習プラットフォームとして特に有効です。この環境を最大限に利用するためには、積極的に英語を話すことが大切になります。話すことにより、即時に言語の使い方を試し、フィードバックを受けることができるため、学習のサイクルが速く、効率的に学ぶことができるのです

このプロセスを繰り返すことで、文法や語彙の正確性が向上し、言語の流暢さも自然と高まります。実際に英語を使ってコミュニケーションを取る機会が増えるため、実践的なスキルが身につきます。また、自分自身で英語の弱点を把握し、それを改善する具体的な方法が学べるので、自己主導的な学習能力も養われます。

このように、アウトプットを重視した学習法は、実践的な言語使用能力の向上に直結し、オンライン英会話を用いた学習で高い効果を実現します。

具体的な方法

  • 英語で日記を書く:日々の出来事や感じたことを英語で日記に記録します。これにより、実生活で使える語彙が自然と増えていきます。
  • レッスンでのフィードバックを重視:書いた日記をレッスンで講師に見せ、文法や表現の訂正を受けます。この一対一のフィードバックは、自分の英語の誤りを明確にし、次に同じミスを繰り返さないようにする助けとなります。

②レッスンの予習・復習を行う

予習を行うことで、踏み込んだ質疑応答を行えるようになり、毎回のレッスンの理解度が深まります。また、「この表現が合っているか確かめたい」というものを予め準備することで、ご自身が実際に使いたい表現の検証を行うことができます。また、復習を行うことで、学んだことを実践で活用したり、記憶に定着させたりすることができます。

予習のアプローチ

  • 次のレッスンで取り上げるトピックや新しい単語、表現について予習を行う:これにより、レッスン中に教師が説明する内容に迅速に対応でき、深い理解が促されます。また、予習をすることで自信を持ってレッスンに臨めるようになり、積極的な学習姿勢を保つことができます。

復習のアプローチ

  • 新しく習った表現や語彙を実際に使用する:使ってみることで記憶に定着しやすくなります。また、復習を通じて、学んだ知識が短期記憶から長期記憶へと移行し、永続的な学習効果が得られるようになります。
  • 短い時間でも毎回行う:毎回数分でも良いので、終了後すぐに当日の学びを振り返ったり、すき間時間にこれまでのレッスンで学んだ表現や英文の作り方(文法)などを復習するようにしてみてください。

③定期的な学習スケジュールを設定する

言語能力は定期的な実践を通じて向上します。習得したスキルが徐々に定着し、能力が自然と向上するためには、毎日または定期的に学習時間を設けることが理想的です。

具体的な方法

  • 毎日または数日に一度の学習を基本のスケジュールとする:定期的にオンライン英会話を実施するようにしましょう。また、オンライン英会話が無い日は予習・復習を行う、日記を書く、などのルーティンを決めておくことも有効です。

④学んだ英語を日常的に使用する

学習した英語を積極的に日常生活で使用するようにしましょう。例えば、家族や友人と英語で会話したり、英語のメディアを活用することで、日常的に言語に触れる習慣を作ります。そうすることで、オンライン英会話での学びを実践でき、一種の復習として記憶に定着させることもできます。また、次の学習へのモチベーションにもつながります。

具体的な方法

  • 頭の中で、英語で独り言をつぶやく:家族や友人と英語で会話することが難しい場合は、学んだ英語を使って、頭の中で独り言をつぶやいたり、身の回りのものを英語で説明してみたりするだけでも効果的です。「これって、英語で何て言うのだろう?」というのを習慣にしてみてください。
  • 英語のドラマや洋楽に親しむ:ドラマや洋楽の英語の中には、基本的な単語や文法がたくさん使われています。習ったものが出てくると、学びと実践がリンクして、日常の記憶として定着していきます。ご自身が好きなドラマや音楽であれば、興味も増して楽しく習慣にすることができます。

⑤目標設定とその評価を行う

学習の効果を出すためには、目標を設定して、それを達成するためにどのようにアプローチし続けるかを意識することが大切です。それにより、必要な学習を保管したり、意識的に効果を検証するクセをつけることができます。

また、効果を出すには長い期間の定期的な学習が不可欠なため、モチベーションなどその場の気持ちだけに頼ることは現実的ではありません。短期目標、中長期の目標設定によって日々の学習計画を立てられるようになるので、学習行動を習慣化していくことができます。

具体的な方法

  • 達成可能な短期目標と長期目標する:例えば「6か月後に簡単な日常会話ができるようになる」「1年後にビジネスメールを英語で書けるようになる」などの具体的な目標を設定するようにしましょう。
  • 目標の到達度を評価する:目標は測定可能でなければならず、定期的に進捗を確認し、必要に応じて調整を行うことが大切です。

⑥実行可能な学習計画を立てる

学習計画があると、モチベーションに左右されずに、また、忙しさなどにかまけずに、学習に取り組む羅針盤になります。このような継続的かつ計画的なアプローチにより、学習者は言語スキルの向上を加速させることができます。また、計画によってモチベーションを維持できることも期待されます。

具体的な方法

  • 現実的な無理の無い学習計画を立てる:実生活における時間管理を考慮し、実行可能なスケジュールを設定しましょう。計画には柔軟性を持たせ、忙しい時期には学習量を調整することが大切です。

要注意!不規則な学習スケジュールの弊害

効果的な学習方法が確立されている一方で、成果が出にくい学習習慣も存在します。言語学習において、効果的な学習方法を適用することは重要ですが、同時に成果が出にくい学習習慣についても理解し、それらを避けることが成功への鍵となります。

多くの学習者が陥りがちな一つの大きな問題は、不規則な学習スケジュールです。具体的には、週に一度だけレッスンに参加し、他の日は学習活動を行わないというパターンが代表的です。このような場合、次のような問題が生じやすくなります。

  • スキルの停滞と忘却:言語能力は定期的な練習を通じてのみ向上します。週に一度の学習では、新しい知識やスキルが長期記憶に移行する前に忘れてしま うため、進歩が遅れます。
  • モチベーションの低下:学習の進展が見えにくいと、学習への意欲も低下しやすくなります。モチベーションの維持は言語学習で非常に重要な要素です。

オンライン英会話を効果的に活用するためには、出来る限り規則的にレッスンを受けるようにしていきましょう。

期間別に見るオンライン英会話の効果まとめ

オンライン英会話学習について、学習期間別にどのような効果が見られるのか、そして、効果的な学習法はどのようなものがあるのかを見てきました。

短期間(目安期間:1ヶ月から6か月間)

  • 英会話の抵抗がなくなる
  • 簡単な英語であれば聞き取れるようになる
  • 単語ではなく、簡単な「文」で話せるようになる

基本的な会話表現と発音の改善に集中しましょう。最初は英語に慣れることと、日常会話で役立つフレーズを覚えることが大切です。

中期間(目安期間:6ヶ月から1年間)

  • 長い英文や短い説明などを聞き取れる
  • 身近な話題について会話ができるようになる
  • ニュアンスも伝わるように1文を長く詳しく話せるようになる

文法の構造や専門語彙の理解が深まる期間です。この段階で、流暢に話す力が自然と身についてきます。

期間(目安期間:1年間以上)

  • ニュースやドラマなどを聞き取れる
  • 日常会話をスムーズに行える
  • 長い会話や説明ができる

専門的な話題について流暢に議論できるようになるなど、英語を使いこなせるようになります。

この記事でご紹介した「効果の出る学習法」を上手く取り入れて、期間ごとの効果を実感していただけたら嬉しいです。学習を楽しみながら、効率よく英語力を伸ばしていきましょう!