TOEIC点数別の英語力目安を8段階で解説!資格として使えるレベルは?

TOEIC点数別の英語力目安は?何ができるレベル?

資格として就職や仕事で使えるレベルは何点?

就職や仕事のためにTOEICを受けてみよう、と思っている方は多いと思います。しかし、TOEIC自体は「資格」ではなく、合否はありません。何点とれたかで、英語力の目安をはかります。英検のように1級、2級と分かれていないので、レベルがわかりづらく、「就職に必要なレベルはどのくらいだろう?仕事で使えるレベルは?」と悩まれる方も少なくありません。

この記事では、TOEIC点数別の英語力の目安を8段階で詳しく解説します。資格として使えるレベルについても紹介しますので、自分の目的のためには何点必要なのか、ぜひ参考にしてください。

※この記事での「TOEIC」は聞く・読むを評価する「TOEIC® Listening & Reading Test」を指します。

この記事の監修者

英会話カウンセラー

Taka

大学では英語教育学を専攻。卒業後は英会話カウンセラーとして、これまでに1,000人以上の方に英会話学習のサポートを行っている。ひとりひとりの学習に寄り添い、英語を楽しく話せるようになってもらうこと、海外との新しい出会いを楽しんでもらうことを大切にしている。

TOEICの点数配点とスコア分布、平均点は?

まずはTOEICの基本情報を確認しましょう!平均点などを知ることで、点数の目安も理解しやすくなります。

TOEICの点数配点

TOEICはリスニングセクション495点、リーディングセクション495点で構成され、満点は990点です。最高得点は990点ですが、最低得点は0点ではなく、10点です。点数は5点刻みで、500点の次は505点、510点・・・となります。TOEICは英検のように級ごとに問題が違うわけではなく、全受験者が同じ問題を受けて、取れた点数によって英語力の目安をはかります。

全問200問で、全てマークシート方式となりますが、詳しい採点方法は明らかにされていません。単純に問題数X5点ではないようですが、これは、正答率によって点数配分が変わるからだと言われてます。例えば正解者が多い問題の配点は低く、逆に正解者が少ない難問は配点が高いようです。そのため、TOEICで高得点を狙うには、他の受験者があまり解けない問題の正解率を上げることが必要と言われています。  

TOEICの平均点は600点前後

TOEIC受験者の平均点は600点前後と言われています。実は、平均点はTOEICの実施団体である IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイトで、次のように公開されています。

出典: IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト平均スコア・スコア分布詳細(第349回)

このデータを見ると、平均スコアは「リスニング332.5+リーディング266.1=598.6」となります。開催会によって若干バラつきはあるものの、 TOEICの平均スコアは大体600点前後になることが多いです。また、リスニングのほうがリーディングより平均スコアは高くなります。

スコア分布

次にスコア分布について見てみましょう。

出典:IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト平均スコア・スコア分布一覧

この表は、2022年度に開催されたTOEICの平均スコア分布です。割合が一番高いのは595点〜645点で10.5%となり、平均点は608点でした。また、395点〜795点までの間に72.5%の受験者が入っていることがわかります。

もう1つ、2024年3月17日午後に行われたテストのスコア分布もご紹介します。分布図になっていないので、慣れない方には少々見づらいかもしれませんが、TOEIC公式サイトでは各テストごとのスコアを次のような表で公開しています。

Score IntervalsTotal
(スコア区分)人数%
8951,04596.4
8451,27892.0
7951,75185.9
7452,18578.3
6952,61669.3
6452,91759.2
5953,16448.2
5453,06337.6
4952,68828.3
4452,52819.6
3952,01612.6
3451,5807.1
2951,1313.2
2456191.1
1952390.2
145580.0
9530.0
4510.0
107
Total28,889 
出典: IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト平均スコア・スコア分布詳細(第349回)

この表は、「該当の点数に満たない受験者が何%いるか」という見方をします。例えばあなたのスコアが595点だった場合、595点未満の受験者は48.2%います。次の645点に満たない受験者は59.2%いますので、595点〜645点を取得した受験者は59.2-48.2=11%となります。

TOEIC点数別の英語力目安を8段階で解説!資格として使えるレベルは?

ここではTOEICリスニング、リーディングの合計点での英語力の目安と、就職や仕事で使えるレベルについて8段階に分けて解説します!

①〜300点(英検4〜5級程度)

TOEIC〜300点は英語超初心者

TOEIC300点以下の方は、英語超初心者と言えます。中学で学ぶ英語の基礎ができておらず、単語や文法も身についていないレベルです。TOEICは全問200問で、4択(一部リスニングは3択)のマークシート方式のテストですので、全問当てずっぽうで答えても、単純な確率計算で250点くらい取れてしまいます。そのため、300点以下だと点数としての評価は難しいと言われています。

資格としての有効度

TOEIC300点以下は、残念ながら資格としてはアピールできません。TOEIC300点以下の場合、TOEICの対策をするよりも、まず英語の基礎を学ぶことをおすすめします。 

②300〜400点(英検3級程度)

TOEIC300〜400点は中学基礎英語ができている

TOEIC300〜400点の方は、中学英語の基礎ができており、限られた語彙や文法であれば理解できます。ゆっくりはっきりと話されれば限定的に聞き取れますが、話せるのは単語が中心で、英語でのコミュニケーションは難しいレベルです。単語や文法がある程度身についていれば、簡単な読み書きはできるでしょう。

資格としての有効度

TOEIC300〜400点は、まだ資格としてはアピールできません。英語でのコミュニケーションができないと見られてしまう可能性もあるため、就職の際の履歴書には書かない方がいいでしょう。   

③400〜500点(英検3〜準2級程度)

TOEIC400〜500点は高校基礎英語ができている

TOEIC400〜500点の方は、高校英語の基礎が一通りできているレベルです。大学受験をする高校生、大学受験をして入ってきた大学生に一番多いスコアと言われています。短い文であれば理解でき、話すこともできますが、少し長い文や複雑な文はまだ聞き取れません。限られた話題については、ゆっくりとですが英語で簡単なコミュニケーションが取れます。読み書きについても単語や文法のミスが多いので、高校英語で理解が不足しているところを重点的に復習すると効果的です。

資格としての有効度

TOEIC400〜500点は資格としてのアピールがギリギリのラインですので、 履歴書に書くときは注意が必要です。企業によっては500点を一つの基準にしている会社もあるようですので、「TOEICを勉強しています」という意気込みとしてアピールできるかもしれません。 

④500〜600点(英検準2〜2級程度)

TOEIC500〜600点は英語の基礎が十分できている 

TOEIC500〜600点の方は高校までの英語の基礎が十分できており、基礎力がついていると言えるレベルです。ゆっくりであれば少し長い文も理解でき、限られた話題の中では文で話すことができるので、自分の言いたいことを伝えられ、英語でのコミュニケーションが取れるでしょう。読み書きについては、日常生活の中で見かける看板や駅の案内などは大体理解できるレベルです。細かい部分の理解がまだ不十分なので、高校英語の総復習をすると効果的です。TOEICの平均点は600点前後なので、平均まであと少し、のレベルです。

資格としての有効度

TOEIC500〜600点は、英語を日常的には使わない部署で新入社員に求められるレベルと言われています。また、一般的には「履歴書にかけるのは600点から」とされています。しかし、英語の基礎ができていることをアピールできる場合もあるので、状況によっては履歴書に書いてもいいでしょう。 

⑤600〜700点(英検2級程度)

TOEIC600〜700点は日常生活でコミュニケーションが取れる

TOEIC600〜700点の方は、単語や文法の間違いはあるものの、日常生活で英語でコミュニケーションが取れるレベルです。日常会話の範囲であれば、問題なく意思の疎通がはかれるでしょう。ビジネスにおいても、簡単なビジネスメールや決まった言い回しなどで、英語を使う部署でもなんとか対応できるレベルです。しかし、複雑な会話やビジネス英語には対応が難しく、苦労します。読み書きについても、専門的な分野でなければある程度の長文や複雑な文が理解できます。

資格としての有効度

TOEIC600〜700点は上場企業など大きな会社が一般社員に求めるレベルです。就職や転職にも有利になりますので、ぜひ履歴書に書いてアピールしましょう。なお、英語を日常的に使う旅行業界や航空業界では、TOEIC600点以上が求められる最低ラインとなります。英語を使う仕事を目指すのであれば、700点はぜひ目指したいスコアです。  

⑥700〜800点(英検準1級程度)

TOEIC700〜800点は英語を日常的に使う部署で働ける

TOEIC700〜800点の方は、どんな状況でも英語での対応ができるので、日常生活やビジネスで英語を活用することができます。TOEICで700点以上の受験者の割合は上位30%程度ですので、英語中上級者に入ると言えるレベルです。

TOEICを運営しているIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)では、730点以上を「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」としています。細かい間違いはあるものの自分の意見や理由・原因を伝えられるので、ビジネスにおいても対応できるでしょう。読み書きについては、かなり複雑な長文でも理解することができます。

資格としての有効度

TOEIC700〜800点は、日常的に仕事で英語を使う際の一つの目安となる点数です。多くの上場企業では、国際部門や海外営業部門、海外赴任の条件をTOEIC 700点以上としているようです。履歴書には積極的に書き、英語力をアピールしましょう。また、昇給・昇格の条件としてTOEIC700点以上を評価基準にしている企業もあるようです。 

⑦800〜900点(英検準1〜1級程度)

TOEIC800〜900点は英語を生かした仕事ができる

TOEIC800〜900点の方は英語を生かした仕事ができるレベルです。説明や議論に対応でき、複雑な長文も理解できるので、英語での会議も可能です。ネイティブスピーカーともある程度コミュニケーションが取れるので、海外企業とのやり取りをする国際部門でも活躍できるでしょう。語彙力もかなり高く、専門用語を使った英語のビジネスメールやサイトにも対応できます。

資格としての有効度

TOEIC800〜900点のスコアがあれば、外資系企業にもアピールできる大きな強みとなります。履歴書に書ければ、高い英語力があると評価されますので、英語を使う部署への就職はとても有利になるでしょう。例えば、英語を社内公用語にしている楽天は社員全員にTOEIC800点獲得を課しています。海外赴任にも十分対応でき、昇給や昇格にも有利です。  

⑧900〜990点(英検1級程度)

TOEIC900〜990点は英語を生かしたあらゆる仕事に対応可能

TOEIC900〜990点の方は、英語を生かしたあらゆる業務に対応が可能です。ネイティブスピーカーとの会話も細部まで聞き取れ、自分の意見を理由・原因を踏まえて論理的に説明できるため、英語での会議にも支障はないでしょう。語彙、文法、構文いずれも正確で流暢であり、複雑なやり取りができるので、ビジネスにおいては商談や会談が可能なレベルです。読み書きもネイティブスピーカーとほぼ同程度の内容、スピードで対応可能です。

資格としての有効度

TOEIC900〜990点は、TOEIC受験者の上位わずか3%程度しかいません。高い英語力を求める企業にとっては、大変魅力的な人材と評価されるでしょう。企業だけでなく、英語講師など英語を生かしたあらゆる分野で活躍が可能です。 

TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションに分かれているため、ここまで解説した合計点での英語力は目安となります。前述の通り、リスニングセクションのスコアの方が高い傾向にあります。極端なことを言えば、リスニング450点、リーディング50点でも500点になるので、それぞれのスコアの目安を把握しておくことも大切です。

リスニング・リーディングそれぞれのレベル一覧表は、次のTOEIC公式サイトを参考にしてください。 

参考:IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイトTOEICレベル別評価一覧表

TOEIC点数別の英語力目安まとめ

この記事では、TOEICにおける点数別の英語力の目安と、それぞれ資格としてどの程度使えるか?を解説しました。

  • TOEIC300〜400点は中学基礎英語
  • TOEIC400〜500点は高校基礎英語
  • 企業が社員に求める最低レベルはTOEIC500点〜
  • 就職でアピールするにはTOEIC600点以上必要
  • 仕事で英語を使うならTOEIC700点以上必要
  • TOEIC800点以上なら英語を生かした仕事が可能

「英語を使って何がしたいか?」という目的によって目指すレベルは人それぞれです。自分の目標のためには何点くらい必要なのか、まずはTOEICの点数別の英語力目安を把握することが大切です。そして「自分はどのレベルにいるのか?」を知り、レベルに合った対策を立てていきましょう。