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IELTSってどんなテストなんだろう?
TOEFLとどう違うの?どっちを受けたらいいの?
海外に留学したい、将来は海外で働きたい。といった理由でIELTSに興味がある方は意外といらっしゃるのではないでしょうか。しかし、日本ではIELTSはあまり認知されておらず、「具体的にどんなテストなんだろう?」「TOEFLとの違いがよくわからない」と悩まれている方も多いと思います。
IELTSは「英語圏へ留学、移住、就労するための英語力をはかるテスト」です。この記事ではIELTSテストの基本情報、テストの形式、どんな場面で使えるかの活用法を詳しく解説します。
多くの方が気になるTOEFLとの違いも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
元英会話学校スタッフ・WEBライター
kaoru
大学では英文学を専攻。卒業後は英会話学校のスタッフとしてカウンセリング業務、大手旅行会社の海外部門勤務、塾講師、公文の先生等、子供教育関係勤務を経験。小学校英語準認定指導者資格を保有。現在はwebライターとして英語学習関連の記事を中心に活動中。自身の英語学習経験から、読者の悩みに寄りそった情報を伝えることを大切にしている。
IELTSとは
IELTSは英語圏への留学、移住、就労するための英語力を測定
IELTSは、正式には「International English Language Testing System」と言い、「アイエルツ」と読みます。英語圏の国に留学、移住、就労するための英語力を測定するテストで、IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilの3団体が共同開発しています。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、140カ国以上、12,000以上の機関で使われている国際的に認められたテストです。イギリス発祥のテストのため、使われるのは主にイギリス英語となります。このため、アメリカ英語に慣れている日本人には難易度が高いとも言われています。
IELTSテストはアカデミックな内容のほか、日常生活や仕事に関する内容も多く、英語圏での生活に即した実践的なテストと言えます。
IELTSは合否ではなくスコアで判定
IELTSは合格・不合格ではなく、何点取れたかをスコアで表示します。合否ではないので、いわゆる「資格」ではありません。リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの英語4技能を0.0〜9.0のスコアで表示します。
IELTSは英語4技能が必要なため、海外で実践的に使える総合的な英語力が判断されます。また、各技能ごとにスコアが表示されますので、現在の自分の英語力を客観的に知ることができます。
IELTSは2種類
IELTSテストは、主に2種類のテストがあります。
①IELTSアカデミック
IELTSアカデミックは主に英語圏の大学や大学院への留学、進学を目的とする方が受けるテストです。リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの英語4技能からなり、テスト時間は約2時間45分です。
留学目的のテストのため、内容は主に大学での講義やアカデミックな題材が扱われます。日本人のIELTS受験者の約7割が受けるのがこのアカデミックです。
②IELTSジェネラル・トレーニング
IELTSジェネラルは主に英語圏への移住ビザ申請、就労を目的とする方が受けるテストです。IELTSアカデミックと同様、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの英語4技能からなり、テスト時間は約2時間45分です。
移住や就労を目的としているため、アカデミックとはリーディング、ライティングのテスト内容が違います。仕事関連や広告など、より日常生活に近い題材が扱われます。
このほかにも「IELTS for UKVI(英国ビザ取得用のテスト)」や「IELTS for Life Skills(イギリスでの生活に必要な英語力を証明するためのテスト)」がありますが、日本人が受験するのは上述のアカデミックとジェネラルがほとんどです。
IELTSテスト基本情報
この章ではIELTSテストについて、問題形式や評価方法、平均スコアについて解説します。
IELTSテスト問題形式
IELTSテストはリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能から成り、各技能の問題数、時間、内容は以下の通りです。約2時間45分前後の長丁場のテストとなり、休憩時間はありません。
セクション | 問題数 | 時間 | 内容 |
リーディング | 40問 | 60分 | 自然科学、哲学、歴史などアカデミックな内容 |
リスニング | 40問 | 30分*1 | 日常生活、大学での生活など |
スピーキング | – | 11〜14分 | 面接官と1対1で自己紹介、スピーチ、質疑応答 |
ライティング | 2問 | 60分 | データなどの要約、自分の意見を述べるエッセイ形式 |
アカデミックとジェネラルでは、リーディングテストとライティングテストの内容に違いがあります。アカデミックは留学目的なので学術的な内容が多く、ジェネラルは移住目的なので日常的な内容が多くなります。
IELTSテスト実施方式
IELTSテストにはコンピューター方式とペーパー方式の2種類の実施方式があります。どちらもテストの内容に違いはありませんが、上述の通りリスニングテストのみ時間が異なります。
コンピューター方式
2020年から始まったテスト方式で、一人一台のパソコンを使用して受験します。全国4都市(時期によって異なります)で実施され、土日も含め、ほぼ毎日行われています。
リスニングはヘッドフォンが貸し出されるので、大会場でのスピーカーより聞き取りやすい傾向があります。いっぽうライティングはパソコンにタイピングするので、人によって得手不得手があります。リーディングでは問題文と設問が同じ画面上に表示されるので見やすく、また問題文の中から必要な単語を抜き出す際にコピー&ペーストが使えるので、スペルミスの心配が少ないというメリットがあります。スピーキングはビデオコールを使い、面接官と1対1で行います。
ペーパー方式
紙の問題文と解答用紙に鉛筆で解答する、従来のテスト方式です。全国13都市で行われていますが、テスト日が月に3〜4日程度と制限があります。
リーディング、ライティングとも問題用紙に書き込んだりメモしたりすることが可能です。ライティングでは、文字が読めないと判断された場合は不正解となりますので、注意が必要です。コンピューター方式との大きな違いはリスニングで、30分のテスト時間の後に10分間の転記時間が設けられています。このため、30分間リスニングに集中することができます。
コンピューター方式とペーパー方式、どちらが自分に合っているか検討して、やりやすい方式で受験すると良いでしょう。ある程度パソコン操作に慣れている人であれば、コンピューター方式の受験がおすすめかもしれません。
IELTSテスト評価方法
IELTSは各技能ごとのスコアと平均スコアが、0.0〜9.0のあいだで0.5刻みで表示されます。リスニング、リーディングは正答数に応じてスコアが算出され、スピーキング、ライティングは採点基準に応じたスコアが算出されます。IDP公式サイト(IDP公式サイト バンドスコア・採点方法)による、各スコアのレベルは以下の通りです。
IELTSテスト平均スコア
IELTS公式ホームページによると、2022年度の日本人の平均スコアは5.9でした。
セクション | 点数 |
リーディング | 6.1 |
リスニング | 6.0 |
ライティング | 5.7 |
スピーキング | 5.5 |
総合 | 5.9 |
テストの回によって若干の前後はありますが、日本人の平均スコアは毎回5.9前後となっており、このスコアはおおむね「有能なユーザー」となります。しかし、リーディング、リスニングに比べるとライティング、スピーキングが弱い傾向にあり、日本の英語教育における弱点が表れていると言えそうです。
海外の大学では6.0以上〜を採用基準としているところも多く、6.0を超えると大学の選択肢の幅がグッと増えます。また、移住ビザ申請も、6.0を基準としているところが増えています。まずはスコア6.0を目指しましょう。
IELTSスコア6.0は、英検で言うと凖1級レベルになります。詳しくは次の換算表をご参照ください。
IELTSは何に使える?活用法
IELTSは「英語圏の国に留学、移住、就労するための英語力を測定するテスト」として140カ国以上、12,000以上の機関で使われており、世界的に広く認知されています。この章では具体的にどんな場面で活用できるかを解説します。
①世界での通用性が高い
IELTSは世界140カ国以上、12,000以上の機関で認定されているグローバルスタンダードテストで、世界中で年間300万人以上が受験しています。海外への留学はもちろん、イギリス、カナダ、オーストラリアへの移住ビザ申請に採用されており、広く世界で通用するテストです。
②自然な会話力が身につく
IELTSのスピーキングテストは、面接官と1対1での対面式で行います。相手の発言や表情を見ながら、自然な会話をしなければなりません。このため、IELTS用のスピーキング対策をすると、実践的で自然な会話力が身につくのです。
③日本での大学入試にも有効
日本においても、入試の際にIELTSのスコアを採用する大学が増えています。スコアによって推薦入試を優遇したり、英語の試験が免除されたりと、多くの大学で活用されています。さまざまな優遇措置がありますので、IELTSのスコアは大学入試にも有効と言えます。
IELTSとTOEFLの違いは?
海外留学や移住のためのテストというと、IELTS以外ではTOEFLを聞いたことがあると思います。しかし、違いがよくわからない。どちらを受けたらいいの?と悩まれる方は多いのではないでしょうか。この章ではそんなIELTSとTOEFLの違いを解説します。
IELTSはイギリス発祥、TOEFLはアメリカ発祥
IELTSとTOEFLは、発祥国が違います。IELTSはイギリス発祥のテストなので、使われるのはイギリス英語なのに対し、TOEFLはアメリカ発祥のテストなので主にアメリカ英語となります。主にイギリス英語を使用するイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは、ほとんどの教育機関でIELTSが採用されています。
日本人は学校教育でアメリカ英語を学ぶため、IELTSのイギリス英語はやや難しく感じる傾向があります。しかし、テストの際にはアメリカ英語とイギリス英語の単語の違い(例えばエレベーターはアメリカ英語では”elevator”ですがイギリス英語では”lift”など)や、発音の違いによって不正解とされることはありません。
以前は「アメリカ留学ならTOEFL、アメリカ以外の国ならIELTS」と言われたようですが、現在は多くの教育機関がどちらのテストも採用するようになっています。
IELTSは移住ビザ申請に必要
IELTSのスコアは海外留学のほか、多くの国で移住や就労ビザ申請時に提出を求められます。大学などへの入学の際にはIELTSでもTOEFLでもどちらのスコアでも可とする教育機関が多いいっぽう、移住や就労ビザにはほとんどの場合、IELTSのスコアが必要です。
自分の目的にはIELTSとTOEFLどちらのスコアが必要なのか、提出先の条件をよく確認するようにしましょう。
IELTSのスピーキングテストは1:1の対面
IELTSのスピーキングテストは、面接官と1対1での対面式で行います。いっぽうのTOEFLのスピーキングテストは対コンピューターであり、制限時間内にマイクで話したものを録音する形です。より自然な会話力が必要とされるIELTSテストとの大きな違いの一つと言えます。
TOEFLの詳細はこちらの記事[↗]でご紹介していますので、併せてチェックしてみください。
IELTSとは?まとめ
この記事ではIELTSについて、基本情報を解説しました。
- IELTSは英語圏への留学、移住、就労するための英語力を測定
- IELTSは合否ではなくスコアで判定
- IELTSはアカデミックとジェネラルの2種類
IELTSは何に使えるか?活用法は以下の通りです。
- ①世界での通用性が高い
- ②自然な会話力が身に付く
- ③日本での大学入試にも有効
TOEFLが「海外留学するための英語力を測るテスト」であるのに対し、IELTSは海外移住や就労のための要素が多いテストです。移住や就労にはIELTSのほうが有効な場合も多いので、提出先がどちらのスコアを必要としているか、確認してから受験するようにしましょう。
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この記事を参考にして、ぜひIELTSにトライしてみてくださいね。