ビリギャル、日本の教育を変える!コロンビア大学院留学の想いとTOEFL®100点超の軌跡
「あのビリギャルが名門コロンビア大学の大学院に合格!」というニュースが駆け巡ったのは、2022年3月のこと。「ビリギャル」のモデルとなった小林さやかさんは、コロンビア教育大学院とカルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教育大学院の2校に見事合格しました。合格を報告するさやかさんの元には祝福のコメントが続々と寄せられ、数々のメディアにも取り上げられるなど、大きな反響を呼びました。さやかさんは2022年7月からアメリカ・ニューヨークへ移住し、コロンビア大学院に進学する予定です。
実は、本校はさやかさんに2021年の夏から通っていただいているご縁があります。さやかさんの教育に対する熱い思いをお聞きするうちに、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと考え、今回のインタビューをお願いしました。学校嫌いだったさやかさんがなぜ教育の世界に飛び込み、海外へ羽ばたこうとしているのか、ぜひお読みください。
講演を重ねるうちに感じた無力感
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著 KADOKAWA)がヒットしたのは約7年前。その当時、さやかさんはすでに社会人として勤めていましたが、大ヒットにより人生が一変しました。
「書籍が売れ始めてすぐ映画化も決まり、私もビリギャル本人として講演に呼んでいただけるようになりました。私は学校って行く意味ない、学校の先生もみんな嫌い、授業もつまらないとずっと思っていたんですね。約7年間、毎年約100件もの講演をさせていただく中で、同じようにつらく感じている子ども達が全国に大勢いることを知りました」(さやかさん)
学校のルールに縛られることがつらい、つまらないと思いながら勉強している大勢の子どもたちを目の当たりにし、さやかさんは現在の学校制度に疑問を持つようになりました。そして、ある問題点に気づきました。
「ビリギャルは地頭が良かったから合格できたんでしょ、と言われることが多いんですね。でも、私は環境のおかげで合格できたと思っています。私を信じてくれていた母と学ぶ楽しさを教えてくれた坪田先生がいなければ、大学に行く意味もわからないままで、おそらくどこの大学にも行ってなかった。たいていの子ども達には、私の母や坪田先生のような、可能性を信じて導いてくれる大人が周囲にいないことに気づいたのです」(さやかさん)
SOSを送ってくる子どもたちを救いたい、でも講演だけでは子どもたちを救えない――、講演を終えて無力感に苛まれ、泣きながら帰宅することもありました。
そこで、さやかさんは一つのステップアップを考えます。それが聖心女子大の大学院への進学です。大学院で1年半に渡る公立中学との共同研究を行い、先生の学習に対する考えが変われば、子どもたちの学びは変わるのではないかと仮説を立てて検証を行いました。そして、先生が変わると生徒も変わり、他の先生たちも変わっていって学校全体が変わるという研究結果を得ました。
「元々頭が良かっただけじゃん、夢を見させるなと子どもたちに言われることもあるのですが、それは本当に違うんです。なぜそう主張する子どもがいるかと言えば、周りの大人がそう話していることを真似しているだけ。大人は子ども達の可能性を潰していることを自覚してほしい。大人が変わらないと子ども達の未来は変わらないのです」(さやかさん)
そしてさやかさんは、日本の教育をもっと知るためには、一度世界に出ることが必要だと考え始めます。自分がマイノリティーになり、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前でないと気づくことで、日本の良さと日本の教育をあらためて見つめ直すことができると考えたためです。
これまで留学の経験がないことがコンプレックスでもあったさやかさんは、一緒に海外に行くと言ってくれた夫や、教育を真剣にやるなら日本を一度出た方がいいという坪田先生のアドバイスに支えられ、アメリカ留学を決意しました。
アメリカ留学のためにTOEFLⓇを猛勉強
アメリカ留学のためには、レベルの高い英語が必須です。そこで2020年2月ごろから、留学に向けて英語の勉強を始めました。各大学の定めるTOEFLの基準点を超えることが必要です。さやかさんが受けた大学については、TOEFLで120点満点中100点以上を取る必要がありました。
しかし、TOEFL対策は大学受験勉強のときとは違ってスピーキングやリスニングも強化する必要があり、何回も心が折れたとさやかさんは話します。
「リーディングはボキャブラリーが増えて精読できるようになればスコアは上がるんですが、リスニングやスピーキングはどれだけ頑張っても上がらない。シャドーイング(英語を聞きながら真似して発音する学習法)は1日4~5時間やっていましたし、ディクテーション(聞いた英語を書き取る学習法)も半日かけてやったりしていました。2年間英語を勉強しましたが、ここ1年は1日8時間以上勉強をしていましたね。新型コロナウイルス感染症対策で一気に講演がなくなったので、学習時間が取れました。留学を決めたのがコロナウイルスが流行する直前だったんですが、年100回以上の講演数をこなしながらあれだけの勉強量は確保できなかったと思うので、タイミングとしてはバッチリでしたね」(さやかさん)
大学受験のときは坪田先生の言うとおりに学習を進めていれば成績が上がりましたが、英語の学習は単純ではありませんでした。ネット上には多くの勉強法や成功体験が投稿されており、多くの情報に触れれば触れるほど悩みました。
「当たり前ですが、英語を習得できた方やTOEFLで高得点をとった方は、自分が成功した方法をもっとも良いと思っておすすめしていますが、学習には人それぞれで合う、合わないがあります。結局、自分で考えて、自分の足りないものを自分で埋めていく作業をするしかない。多くの情報を参考にしつつも鵜呑みにせず、自分で自分を分析してやるしかないと気づいてからは点数が上がるようになりました」(さやかさん)
例えば、リーディングで点数が上がらない人は意外と精読ができていないことがあります。ボキャブラリーで読めた気になっているけれども文章の構成は理解できていなかったりする。もしそうなら、とにかくやみくもに読みまくるのでなく、基本的な英文法を復習してみることが近道だったりします。私もそのように、自分の穴を埋めていく感覚で弱点をあぶり出し、対策することを継続していたら、結果に結びつくようになりました。
また、さやかさんは「集中力」に課題を感じていました。学習していると、すぐ関係のないことを考えてしまうくせがあったからです。そこで、自分にプレッシャーをかけ、集中力を上げるようにしました。
「タイムプレッシャー(時間制限)をかけるのが、一番現実的な方法です。TOEFLのリーディングは18分で一つの記事を読んで10問解かなければいけないので、私は常に16分で解くようにしていました。そうすると、1回意識が飛ぶだけでもうおしまいなんですよ。もう絶対最後まで行けない。16分で常に満点取れるように特訓してたら、本番で時間守れるようになりましたし、集中できるようにもなりました。練習の時から必要以上に追い込むことが大切です」(さやかさん)
でも、さらに集中力が必要となるリスニングの点数が上がりません。悩みに悩んださやかさんは、睡眠時間を8時間取るようにしました。すると、リスニングの点が上がったそうです。それも、自己分析の成果だそうです。
そして、さやかさんが以前から心がけている学習法も続けました。「難しすぎることは絶対にやらない」こと、そして「自分がご機嫌でいられるように工夫する」ことです。
難しすぎることをやるとモチベーションが下がるため、今回は英検準2級ぐらいのボキャブラリーから覚え始めて、英文法は中学で習うことから始めました。その後、TOEFLの問題集を少しずつ解いていきました。最初からできると思わずに、「×」だった問題をひたすら「〇」にしていく姿勢で学習したそうです。
フライト英会話で英語の原点に立ち返り、スコアもアップ
TOEFLのスピーキングは、リーディングとリスニングができないと、何も話せません。ある文章を読み、その解説などをしている音声を聞き、それをすぐに頭の中でまとめて話す問題形式だからです。
さやかさんはこのスピーキングで24点を取りました。これは、日本人では難しい点数だとさやかさんは話します。
「24点取れたのは、オンライン英会話で特訓しまくったからです。それで点数は上がってきたのだけど、1人で勉強するのが本当にきつくなっていました。ある人に相談したら、実際に誰かと話してコミュニケーションを取るようにしたら自然に点数が上がるかもよと言われて、フライトさんをご紹介いただきました。実際にフライトに通ってみると、やっぱり言語って人とコミュニケーションを取るためにあるものなんだなと原点に戻れましたね。TOEFLの点数を上げるということから少し離れて、気分を変えて学習できました」(さやかさん)
フライトでは、恵比寿校に2021年夏ごろから通いはじめ、TOEFLの目標点を超えるまでほぼ毎日学校に通いました。TEDトークなどの題材を元に、私専用のカリキュラムでマンツーマンレッスンを受講しました。
「TOEFLの点数が上がらないんだよねーと愚痴っても、先生たちはじっくり話を聞いてくれるし、一緒に悩んでくれてありがたかったですね。先生たちはフィリピン人なので、すごく明るくてポジティブなんです。話しているうちに文化の違いや教育の違いも感じられましたし。フライトの良いところは、先生たちが明るくて面倒見の良い人ばかりだということだと思います」(さやかさん)
英会話ホーダイ(参加自由のグループレッスン)では、講師がスライドに沿って質問をして、参加している他の生徒たちとディスカッションをします。さやかさんはここで日本人の他の生徒と英語で話す機会があったことも勉強になったそう。ずっとひとりで勉強していたため、他の英語学習者が話す英語を初めて聞く機会になり、客観的に日本人が話す英語をききながら、自身が話す英語の課題も見えやすくなったといいます。
こうして、1日8時間以上に及ぶ自主学習に加え、英会話を楽しみながら学ぶ時間を取っていくことで、結果的にTOEFLの点数アップも実現することができました。英会話で、様々なトピックを自分の体験と結びつけながら話す経験を積み重ねることで、リスニングやスピーキングにも活きたのかもしれません。
日本を離れて日本の文化と教育を見つめ直したい
さやかさんがコロンビア大学院に進学することに決めた理由のひとつは、世界中の人が集まるニューヨークにあるから。人との出会いが人生を大きく変えてきたさやかさんは、他では得られない経験がきっと得られると考えました。また、優秀な教授が集まっていて、教育分野だけでも81のプログラムが用意されているトップスクールであることにも期待しています。
「コロンビア大学院には、世界中から自分たちの国の教育課題を引っさげた人達が集まってきます。ただ、国ごとに文化がありますよね。日本にも独特の文化があって、その上に今の教育システムが成り立っています。他国でうまくいっているからといって、単純にいいとこ取りをすればいいっていうわけではないと思うんです。日本での教育を思い浮かべながら様々な教育の現場を知ってる人たちと対話をすることが、一番遠いようで一番近いのかなと思っていて。そして、留学することによって、日本の教育のここが素晴らしいんだなと再確認できる一つのきっかけにもなるかなと思ってます」(さやかさん)
子ども達の能力や可能性を信じて引き出してあげられる大人が世界中にあふれる世の中にするために、その一助になるような活動をしてきたいと話すさやかさん。学習におけるメカニズムをアメリカでしっかり学び、日本の大人に共有したいと考えています。
また、YouTubeでニューヨークの様子を配信することで、留学を考える若者の背中を押すことも考えているそう。コロンビア大学院で何を学び、ニューヨークで何を感じるのか。日本の教育界に大きく影響を与えてくれるさやかさんから、今後も目が離せません。
【取材:鈴木 朋子】
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さやかさん、朋子さん、ありがとうございました!
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