TOEICとは?基本情報・形式・活用法を詳しく解説!

TOEIC受けてみたいけどどんなテストなんだろう?

就職や仕事で活用できると聞くけど、具体的には?

TOEICを受けてみたいけど、どんなテストなのかよくわからない。就職や仕事で活用できると聞くけど、実際にどう使われるのかわからない。という方は意外と多いのではないでしょうか。

この記事ではTOEICテストの基本情報、テストの形式、実際にどんな場面で使えるかの活用法を詳しく解説します。

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多くの方が気になる「TOEFL、英検との違い」も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の著者

元英会話学校スタッフ・WEBライター

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大学では英文学を専攻。卒業後は英会話学校のスタッフとしてカウンセリング業務、大手旅行会社の海外部門勤務、塾講師、公文の先生等、子供教育関係勤務を経験。小学校英語準認定指導者資格を保有。現在はwebライターとして英語学習関連の記事を中心に活動中。自身の英語学習経験から、読者の悩みに寄りそった情報を伝えることを大切にしている。

TOEICテストとは

ではTOEICテストとは実際にどんなテストなのか、詳しくみていきましょう。

TOEICは「英語によるコミュニケーション能力」をはかるテスト

TOEICは、正式には「Test of English for International Communication(国際コミュニケーション英語能力テスト)」といい、アメリカの非営利団体であるETSが運営しています。「グローバルスタンダード」として世界160ヵ国で実施されており、日本ではIIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)が行っています。

TOEICは「英語によるコミュニケーション能力」を幅広くはかるテストです。学校で習った知識としての英語ではなく、仕事や日常生活における英語のコミュニケーション能力を幅広くはかります。

TOEICは合否ではなくスコアで判定

TOEICは合格・不合格ではなく、スコア表示です。全受験者が同じ問題を受けて、取れた点数によって英語力をはかります。自分の英語力を数字で見ることができるので、今の自分の実力を客観的に把握することができます。

TOEICは5種類

TOEICテストは全部で5種類あります。難易度によって「TOEIC」と「TOEIC Bridge」の2種類に分かれており、さらに技能によって「L&R(リスニング、リーディング)」と「S&W(スピーキング、ライティング)」に分かれます。自分のレベルや目的にそってテストを選べるのが大きな特徴です。

①「TOEIC® Listening & Reading Test」

リスニングとリーディングの2技能の能力をはかるテストです。通常、TOEICテストというときはこのテストを指し、総受験者の9割近くがまず受けるのがこのテストです。身近なシーンからビジネスまでさまざまな題材が使われており、幅広い英語力を身に付けるのに適しています。

「TOEIC® Listening & Reading Test」は多くの企業で英語力の目安として使われており、受験者の多くが就職を控えた大学生や、企業に勤める人たちです。「ビジネスにおける英語コミュニケーション能力」として広く活用されています。

②「TOEIC® Speaking & Writing Tests」

スピーキングとライティングの2技能の能力をはかるテストです。「話すこと・書くこと」は「聞くこと・読むこと」より能動的なアウトプットなので難易度が高く、受験者も総受験者の1.5%程度とグッと少なくなります。

実際に仕事で英語を使う部署では「話すこと・書くこと」は避けられませんので、実践的な英語力の向上を目指す方はぜひ活用したいテストです。

③「TOEIC® Speaking & Tests」

スピーキングのみの能力をはかるテストです。②の「TOEIC® Speaking & Writing Tests」から、スピーキングのみを選んで受験することができます。

④「TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests」

英語初中級者を対象とした、リスニングとリーディング2技能の能力をはかるテストです。題材は日常生活におけるシーンが中心で、あまり英語に慣れていない方でも無理なく受けられるよう配慮されています。

⑤「TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests」

英語初中級者を対象とした、スピーキングとライティング2技能の能力をはかるテストです。こちらのテストも日常生活におけるシーンが中心で、メールやSNSなども題材とされます。

TOEIC L&Rテスト基本情報

この章では、もっとも一般的な「TOEIC® Listening & Reading Test」について、形式や評価方法、スコア分布などを解説します。

TOEIC L&Rテスト問題形式

 TOEIC L&RテストはPart1からPart7まであり、内容と問題数は以下の通りです。

リスニング(100問45分)
内容問題数
Part1写真描写問題6問
Part2応答問題25問
Part3会話問題39問
Part4説明文問題30問
リーディング(100問75分)
内容問題数
Part5短文穴埋め問題30問
Part6長文穴埋め問題16問
Part7読解問題(1つの文書に関する問題)29問
読解問題(複数の文書に関する問題)25問

TOEIC L&Rテスト評価方法

TOEIC L&Rテストは全問200問で、全てマークシート方式です。リスニングセクション495点、リーディングセクション495点で構成されており、満点は990点となります。

詳しい採点方法は明らかにされていませんが、単純に問題数X5点ではないようです。正答率によって点数配分が変わると言われており、正解者が多い問題の配点は低く、逆に正解者が少ない難問は配点が高くなるようです。

TOEIC L&Rテストスコア分布

回によって若干のばらつきはありますが、TOEIC L&Rテストの平均点は600点前後です。下のグラフは、2022年度に開催されたTOEIC L&Rテストのスコア分布です。

595点〜645点の間に全受験者の10.5%が入っており、割合が一番高くなっているのがわかります。平均点は608点でした。

出典:IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト平均スコア・スコア分布一覧

TOEICテストは何に使える?活用法5選

TOEICは「日常生活や仕事における英語でのコミュニケーション能力をはかるテスト」として社会的に評価されているため、さまざまな場面で活用できます。どのような活用法ができるか、具体的に見ていきましょう。

①就職時にアピールできる

TOEICは多くの企業で「グローバルな英語力の目安」として採用されています。IIBCの調査によると、就職時にTOEICのスコアを「要件・参考としている」もしくは「新たに要件・参考とする可能性がある」という企業は55.4%にのぼり、半数以上の企業が英語力の目安として評価していることがわかります。

採用時にTOEIC® Program を利用しているか
出典:IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト「データでみるTOEIC Tests」

前述のとおりTOEICの平均点は600点前後であり、一般的に履歴書にかけるのは600点以上と言われています。企業によっては500点以上を一つの目安にしているところもありますので、まずは500〜600点を取得すれば就職時や転職時に活用できるでしょう。

②大学入試や単位認定に活用できる

TOEICは、多くの大学や大学院において入学試験時の優遇措置として採用されています。スコアによって「英語試験免除」「推薦入試の出願要件」「試験の加点」など、さまざまです。また、TOEICは多くの大学における単位認定にも採用されています。

③昇進や海外赴任などキャリアアップに活用できる

TOEICは「ビジネスにおける英語でのコミュニケーション能力」として評価されるため、昇進・昇格の条件として活用している企業も少なくありません。上場企業など大きな会社では、600〜700点が一般社員に求められるレベルと言われており、日常的に英語を使う業界では700点が求められます。700点以上であれば、キャリアアップにも大いに役立ちます。

また海外赴任の条件として採用している企業も多くありますので、自身のキャリアアップのためにもTOEICの学習はとても有効であると言えます。

④英語力を客観的にはかることができる

TOEICは合否判定ではなくスコアによる表示なので、今の自分の英語力がどのくらいなのかが客観的に把握できます。受験者に発行される「OFFICIAL SCORE CERTIFICATE(公式認定証)」には、スコアのほかに「長所の説明」や「項目ごとの正答率」などが表示されています。リスニング、リーディングパートごとに詳細が記載されていますので、自分の得意分野や弱点が客観的にわかります。

今のあなたの英語力を客観的にはかることにより、今後の目標や勉強法を具体的に立てることに役立ちます。

⑤とくに仕事で使える英語力を伸ばせる

TOEICは「ビジネスにおける英語でのコミュニケーション」を想定した問題が多く出題されます。電話でのやり取りや会議の内容、E-mailや説明書など、仕事の現場に即した内容がたくさん出てきます。仕事で実際に使える単語やフレーズが多いので、TOEICの学習をすることにより、仕事で使える英語力が伸ばせるのです。

TOEIC L&Rテストの点数別の英語力目安を知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にして下さい。

TOEICとTOEFL・英検との違いは?

TOEIC以外の英語のテストではTOEFL、英検が有名です。この章ではそれぞれのテストの特徴と、TOEICとの違いを解説します。

TOEICとTOEFLの違い

TOEFLはTOEICと同じく、アメリカの非営利団体であるETSが運営しています。英語圏の大学や大学院などの入学希望者の英語力をはかるために使用されるため、受験者の多くは海外留学を目指している方です。判定は合否ではなく、スコアによる評価です。

TOEICとの大きな違いは「母国語が英語以外の方のみを対象としたテスト」ということです。英語圏の学校で学ぶのに必要な英語力をはかるため、非英語圏の方しか受験することができません。また、入学における評価に使いますので、TOEFLスコアには取得から2年間という有効期限があります。

TOEICは仕事や日常生活における英語のコミュニケーション能力をはかるため、日常生活やビジネスシーンが多く扱われます。対してTOEFLは「英語圏の学校で学ぶための英語力」をはかるので、学校生活やアカデミックな内容が多く扱われるという違いもあります。

TOEICと英検の違い

英検は日本における英語の資格試験で、日本英語検定協会が行っています。中学・高校生から社会人まで幅広い層が受験しており、5級〜1級まで全部で7つの級があります。級によってリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能の力をはかります。

TOEICとの大きな違いは、英検は「級によって問題が違うこと」「合否判定であること」です。TOEICのように全受験者が同じ問題を解くのではなく、級によって難易度の違う問題が出題されます。また、各級とも合否判定ですので、評価方法は「受かったか受からなかったか」の二者択一となります。

テストの内容にも違いがあります。英検は「日本の学校教育における英語の習熟度を測るテスト」ですので、学校における成績として認知されます。日本国内における知名度が非常に高く、上位の級を取れば進学や単位取得で優遇されるというメリットがあります。

その反面で、日本以外での認知度はあまり高くなく、世界共通の評価基準にはなりにくいというデメリットもあります。海外赴任や外資系企業など、ビジネスにおけるアピールではTOEICの方が有効と言えます。

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それぞれの試験の特徴をよく知って、目的に合わせて使い分けましょう。

TOEICとは?まとめ

この記事ではTOEICについて、基本情報を解説しました。

  • TOEICは「英語によるコミュニケーション能力」をはかるテスト
  • TOEICは合否ではなくスコアで判定
  • TOEICは5種類

TOEICはどんなことに使えるか?活用法は以下のとおりです。

  • 就職時にアピールできる
  • 大学入試や単位認定に活用できる
  • 昇進や海外赴任などキャリアアップに活用できる
  • 英語力を客観的にはかることができる
  • 特に仕事で使える英語力を伸ばせる
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TOEICは社会的に広く評価されている英語試験で、就職やキャリアアップにも有効です。これからTOEICを受けてみようと思っている方は、ぜひ今回の記事を参考にして下さい。

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