英検®3級攻略!大問1文法問題対策【米山達郎の英検®攻略ブログ】

みなさんこんにちは、米山達郎(よねやま・たつろう)です。

この記事の著者

米山 達郎よねやま たつろう

京都大学の文学部を卒業してから、長い間、河合塾で模擬試験を作るリーダーをしていました。現在は、資格試験や大学入試の問題を作ったり、学校の先生たちのサポートをしたりしています。これまでに作った本には、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『英作文バイブル和文英訳編/自由英作文編』(Z会)、『パラグラフリィーディングのストラテジー1/2/3』(河合出版)などがあります(いずれも共著です)。

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私はふだん、大学入試や英検®、TOEICなどのテストを作る仕事をしています。このブログでは、英検®の問題を見ながら、「英検®ではこういう問題が出ている」「こんなスキルが必要とされる」ということを、わかりやすく伝えていきます。

ちょうど文化人類学者がある村に行って、その村の暮らしを観察して「この村にはこんな文化がありますよ」と紹介するように、私は英検®という「世界」をみなさんに紹介する気持ちで書いています。

このブログを読むことで、「英検®ってこんな感じなんだ」「こうやって勉強したらいいんだな」と実感してもらえたらうれしいです。

なお、ブログに出てくる問題はすべてオリジナルで、実際の過去問ではありません。実際の英検®の過去問をご覧になりたい方は、以下の公式サイトをご確認ください:

👉 英検®過去問はこちら

本日は、大問1文法問題対策を見ていきましょう。

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文法問題

1) どんな問題が出ているの?

大問1の(13)から(15)はいわゆる「文法問題」です。

これは、英語のルールをちゃんと理解しているか?をチェックする問題です。

たとえば、動詞の形とか、語の順番とか、表現のきまりとか…

いわば「英語の文を正しく組み立てる力」を見る問題なんです。

文法問題には2つのタイプがあります。

①【形や文の構造を考えないと解けない問題】

ちょっと考えるけど、ルールに当てはめればスッキリ解ける。

例:過去分詞の後置修飾、関係代名詞、受動態、不定詞の副詞用法など。

②【覚えていればすぐにわかる問題】

パターンや表現を覚えていれば、一瞬で解けるラッキー問題。

例:enjoy doing(〜するのを楽しむ)、have been to(〜に行ったことがある)など。

2) どうやって解けばいいの?

解き方はとってもシンプル。

3つのステップに分けて考えましょう。

【ステップ1】問題文の意味を考える

何を言いたい文なのかをイメージする。

【ステップ2】選択肢の「形の違い」に注目する

たとえば、その単語が何形なのか(現在形?過去形?分詞?)をチェックする。

【ステップ3】文法のルールを使って「意味が通る形」を選ぶ

文として自然か?文法的に正しいか?を考えて、当てはめてみよう。

3) 実際にやってみよう!

They are looking for the wallet (     ) from the locker. It had some money and an important card inside.

1 stolen   2 stealing   3 steals   4 stole

【ステップ1】問題文の意味を考える

They are looking for the wallet (     ) from the locker. It had some money and an important card inside.

→彼らはロッカーから(     )財布を探しています。その中にはお金と大事なカードが入っていました。

【ステップ2】選択肢の「形の違い」に注目する

  • 1 stolen → stealの過去分詞
  • 2 stealing → stealの現在分詞。あるいは動名詞。
  • 3 steals → stealの現在形(三単現の-sに注目)
  • 4 stole → stealの過去形

【ステップ3】文法のルールを使って「意味が通る形」を選ぶ

a) 問題文の(     ) from the lockerの部分が、名詞のthe walletを後ろから修飾していると考えれば正しい英語の語順になる。

b) wallet(財布)とsteal(〜を盗む)は「財布が盗まれる」という受動の意味関係。

c)「名詞を後置修飾して、受動の意味関係が成立するのは過去分詞」という文法ルールが適用できる!

d) だから、1 stolen(「盗まれた」stealの過去分詞)が正解。

e)「彼らはロッカーから(盗まれた)財布を探しています」という自然な文意になる!

He is (     ) than I am, so he carried the heavy bag.

1 strongest   2 strong   3 strongly   4 stronger

【ステップ1】問題文の意味を考える

He is (     ) than I am, so he carried the heavy bag.

→彼は私より(     )ので、その重いカバンを運びました。

【ステップ2】選択肢を比べて違いをチェックする

  • 1 strongest → 形容詞strongの最上級
  • 2 strong → 形容詞strongの原級
  • 3 strongly → 副詞stronglyの原級
  • 4 stronger → 形容詞strongの比較級

【ステップ3】文法のルールを使って「意味が通る形」を選ぶ

a) 問題文のthan I amに注目。

b) 〈比較級+than A〉という形で用いる(=thanは比較級と一緒に用いる)という文法ルールが適用できる!

c) だから、比較級の4 strongerが正解。

d)「彼は私より(力が強い)ので、その重いカバンを運びました」という自然な文意になる!

4) どうやって勉強したらいいの?

英語の文法は、実はスポーツのルールとそっくりです。

ルールを知らなかったら勝てないけど、いったん覚えてしまえば、自然に動けるようになりますよね。

対策のポイントは2つ。

①文のしくみをしっかり理解する!

「主語+動詞」「名詞を修飾する語の順番」など、英語の文の骨組み(=基本のかたち)をきちんと意識することが大切です。

たとえば、「語の並べ方のルールは?」「どの語がどの語を説明しているのか?」ということを、なんとなく丸暗記するのではなく、「なるほど!」と意味を考えながら理解して覚えていきましょう。

このような「文のしくみ」に関する文法事項(不定詞、動名詞、分詞、関係詞、接続詞など)が、【形や文の構造を考えないと解けない問題】として出題されるわけです。

②よく出る表現は「セット」で覚える!

「単語1個だけ」で覚えるより、よく使われる単語どうしの組み合わせ(=フレーズ)覚える方がラクで効果的です。

たとえば、このような感じです。

良くない覚え方=単語1個だけで覚える良い覚え方=フレーズで覚える
enjoy(楽しむ)enjoy doing(〜するのを楽しむ)
interested(興味がある)be interested in A(〜に興味がある)

こういう「定番フレーズ」をそのまま覚えておけば、【覚えていればすぐにわかる問題】は瞬時に正解を判断できますね。

さらにオススメの覚え方は、具体的な例文で覚えることです。

フレーズは「文ごと覚える」と非常に深く記憶に刻まれます。

具体的には、例文を口に出して、使われている文法ルールを説明できるようにしましょう。

友達に説明するつもりで練習すると、理解がぐっと深まりますよ。

・They are looking for the wallet stolen from the locker.

(彼らはロッカーから盗まれた財布を探しています)

→口頭説明:「stolenはsteal(盗む)の過去分詞で、名詞walletをあとから説明する形」

・He is stronger than I am, so he carried the heavy bag.

(彼は私より力が強いので、その重いカバンを運びました)

→口頭説明:「thanが出たら比較級のサイン! 比較級のstrongerがぴったり」

米山先生
米山先生

文法は「めんどうくさいルール」じゃありません。むしろ、「正しいパスを出すためのコツ」みたいなものです。ルールを理解して覚えることで、英語の文章がスムーズに分かり、スムーズに伝えられるようになりますよ!

まとめ

文法は、「○○してはダメ!」という罰ゲームではなくて、「こう言えば、もっとよく伝わるよ!」というアドバイス集です。

ルールがわかると英語はグンと楽しくなります。

少しずつでも、「あ、このルールは知ってる」という体験が増えていくと、自信につながります。

それでは、次回も、英検®3級の世界を一緒にじっくり見ていきましょう!

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※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。