英検®準2級攻略!大問1語彙・イディオム問題対策【米山達郎の英検®攻略ブログ】

みなさんこんにちは、米山達郎(よねやま・たつろう)です。

この記事の著者

米山 達郎よねやま たつろう

京都大学の文学部を卒業してから、長い間、河合塾で模擬試験を作るリーダーをしていました。現在は、資格試験や大学入試の問題を作ったり、学校の先生たちのサポートをしたりしています。これまでに作った本には、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『英作文バイブル和文英訳編/自由英作文編』(Z会)、『パラグラフリィーディングのストラテジー1/2/3』(河合出版)などがあります(いずれも共著です)。

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ふだんは大学入試や英検®、TOEICなどのテスト問題を作る仕事をしていますが、このブログでは、英検®準2級の問題を見ながら、「英検®準2級ではこんな問題が出るんですよ」「こんな力が求められているんですね」といったことを、できるだけわかりやすく伝えていきたいと思っています。

ちょうど文化人類学者がある村を訪れて、その村の暮らしや文化を観察・記録・分析する「エスノグラフィー」の手法と同じように、私はこのブログで、英検®準2級という「世界」を観察・記録・分析して、その真の姿をみなさんに伝えるつもりで書いています。

このブログを読んで、「英検®準2級ってこんな感じなんだな」「こうやって勉強すればいいのかも」と感じてもらえたらうれしいです。

なお、ブログに出てくる問題はすべてオリジナルで、実際の過去問ではありません。過去問を見てみたいという方は、英検®の公式サイトをご覧ください:

👉 英検®過去問はこちら

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目次

【1】語彙問題(大問1 (1)〜(10))

1) どんな問題が出ているの?

大問1の(1)〜(10)では、「この英単語はどのような意味か」を問う、いわゆる語彙問題が出題されます。

英単語を見て、その日本語の意味が理解できているかどうかを確認する形式の問題です。

たとえば、対話文の中でカッコに入るもっとも自然な英単語を選ぶといった問題があります。

次の( )に入れるのに最も適切なものを1、2、3、4の中から一つ選び、その番号のマーク欄をぬりつぶしなさい。

A : I heard your team won the soccer championship!

B : Yes! Our coach’s (    ) really helped us stay motivated throughout the season.

1 encouragement   2 entertainment   3 appointment   4 achievement

あるいは、2文を通して文脈をつかむタイプの問題もあります。

次の( )に入れるのに最も適切なものを1、2、3、4の中から一つ選び、その番号のマーク欄をぬりつぶしなさい。

Jake was in the park when it started raining. He saw a weak bird on the ground. Jake (    ) the bird and took it to an animal hospital.

1 ignored   2 rescued   3 avoided   4 discovered

選択肢となっている英単語の品詞(名詞・動詞など)はすべて揃えられています。

対話文の例では名詞、2文の例では動詞が選択肢となっていますね。

出題される単語のレベルは、概ね高校初級程度の英単語(A2〜B1レベル)が中心です。

次に、過去に出題された英単語の一部をご紹介します。

実際にどの程度の語彙レベルか、参考までに確認してください。英検®3級とのレベル差を確認したい場合はコチラ

👉 英検®3級の語彙問題はこちら

◎名詞の例(もの・こと・人の名前)

aid(援助)

breath(呼吸)

demand(要求)

equipment(設備、装置)

experiment(実験)

facility(施設)

fireworks(花火)

hook(フック、留め具)

movement(動き、動作)

purse(ハンドバッグ、財布)

rainfall(降水量、雨量)

record(記録)

respect(尊敬)

reward(報酬)

series(連続、シリーズ)

◎動詞の例(動きや行為を表す言葉)

chase(追いかける)

convince(納得させる)

cross(横切る)

design(設計する)

discourage(やる気をなくさせる)

express(表現する)

gain(得る)

grab(つかむ)

increase(増える、増やす)

match(合う、一致する)

measure(測る)

occur(起こる)

purchase(購入する)

reform(改革する)

reject(拒否する)

trade(貿易する、交換する)

witness(目撃する、証人)

◎形容詞の例(人や物の様子を表す言葉)

bright(明るい)

dead(死んでいる)

ripe(熟した)

thin(薄い、細い)

sudden(突然の)

lazy(怠け者の、怠惰な)

possible(可能な)

native(出生地の、土着の)

private(私的な、個人的な)

stormy(嵐の、荒れた)

giant(非常に大きな)

evil(邪悪な)

◎副詞の例(動詞・形容詞・文などを説明する言葉)

certainly(確かに、きっと)

constantly(絶えず、常に)

dramatically(劇的に)

eventually(最終的に、やがて)

exactly(正確に、まさに)

gradually(徐々に)

separately(別々に、個別に)

seriously(真剣に、深刻に)

softly(やさしく、静かに)

successfully(うまく、成功して)

traditionally(伝統的に)

unfortunately(残念ながら、あいにく)

2) どうやって解けばいいの?

シンプルに3つのステップを守りましょう。

【ステップ1】問題文の意味を考える

厳密な日本語にまで訳す必要はありませんが、「だいたいどんな場面か?」を具体的にイメージすることが大事です。

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

「あ、この単語はこういう意味だったな」と思い出しましょう。

【ステップ3】問題文に入れてみる

全部の選択肢をカッコに入れてみて、一番自然な意味が通るものが正解です。

3) 実際にやってみよう!

問1

A : I heard your team won the soccer championship!

B : Yes! Our coach’s (    ) really helped us stay motivated throughout the season.

1 encouragement   2 entertainment   3 appointment   4 achievement

【ステップ1】問題文の意味を考える

A : I heard your team won the soccer championship!

→ あなたのチームがサッカー選手権で優勝したって聞いたよ!

B : Yes! Our coach’s (    ) really helped us stay motivated throughout the season.

→ はい!コーチの(    )のおかげで、シーズンを通してずっとやる気を保つことができました。

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

  • 1 encouragement → 励まし
  • 2 entertainment → 娯楽
  • 3 appointment → 面会の約束、予約
  • 4 achievement → 達成、業績

【ステップ3】問題文に入れてみる

1 コーチの(励まし)のおかげで、シーズンを通してずっとやる気を保つことができました。☞意味が通るのはこれだけなので正解!

2 コーチの(娯楽)のおかげで、シーズンを通してずっとやる気を保つことができました。☞意味不明!

3 コーチの(面会の約束、予約)のおかげで、シーズンを通してずっとやる気を保つことができました。☞意味不明!

4 コーチの(達成、業績)のおかげで、シーズンを通してずっとやる気を保つことができました。☞優勝という達成・業績を成し遂げたのは「チーム」なので不自然!

(注)慣れてきたら…

慣れるまではこのステップ通りにやることを勧めますが、慣れてきたら「空所にはこんな単語が入りそうだ」と、正解になりそうな単語を予想すると良いでしょう。

問1も「優勝できたのはコーチの◯◯のおかげだ!」という対話ですから、感謝の言葉として、自然に思い浮かぶのは「指導」「サポート」「励まし」ですよね! 

問2 

Jake was in the park when it started raining. He saw a weak bird on the ground. Jake (    ) the bird and took it to an animal hospital.

1 ignored   2 rescued   3 avoided   4 discovered

【ステップ1】問題文の意味を考える

Jake was in the park when it started raining. He saw a weak bird on the ground. Jake (    ) the bird and took it to an animal hospital.

→ジェイクが公園にいたとき、雨が降り始めました。彼は地面に弱った鳥を見つけました。ジェイクはその鳥(    )、動物病院へ連れて行きました。

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

  • 1 ignore → 〜を無視する
  • 2 rescue → 〜を救う
  • 3 avoid → 〜を避ける
  • 4 discover → 〜を発見する

【ステップ3】問題文に入れてみる

1 ジェイクはその鳥(を無視して)、動物病院へ連れて行きました。☞意味が通らない!

2 ジェイクはその鳥(を救って)、動物病院へ連れて行きました。☞意味が通るのはこれだけなので正解!

3 ジェイクはその鳥(を避けて)、動物病院へ連れて行きました。☞意味が通らない!

4 ジェイクはその鳥(を発見して)、動物病院へ連れて行きました。☞前文にHe saw a weak bird on the ground.(彼は地面に弱った鳥を見つけました)とあるので、不自然!

(注)慣れてきたら…

問1と同様に、「空所にはこんな単語が入りそうだ」と、正解になりそうな単語を予想してみると、弱った鳥を見つけて→その鳥を(    )→病院へ連れて行ったという場面なので、「助けて」「抱きかかえて」「救って」などがしっくりきますよね! 

どうやって勉強したらいいの?

特別なテクニックを用いる必要はありませんが、以下の2点を意識することで、語彙学習において大きな効果が期待できます。

① よく出題されるレベルの英単語を確実に覚えること

初めから難解な語彙に取り組むのではなく、まずは高校初級レベルに相当する英単語(CEFRで言うところのA2〜B1レベル)を確実に習得することが重要です。

その際、以下の点を意識すると、より効率的に記憶できます。

  • 単語の品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞など)も併せて覚える
  • 可能であれば、例文と一緒に覚えることで記憶の定着が促進される

② 単語を見た瞬間に意味が即座に思い出せるようにすること

語彙を見たときに「この意味は何だったかな〜」と考え込んでしまうようでは、本番において時間不足に陥る可能性があります。

ですから、単語を目にした瞬間に意味が「即座に」出てくるよう、繰り返し練習を重ねる必要があります。例えば、英単語カードやアプリ等を活用し、「反射的に意味を思い出せる状態」を目指しましょう。

米山先生
米山先生

語彙問題に取り組む際は、なんとなくの印象で選択肢を選ぶのではなく、「意味の通る自然な英文になるかどうか」を丁寧に考えることが重要です。解答の際には、英単語を文に当てはめたとき、自然な文意が成立するかどうかを常に自分の中で確認しながら、慎重に選ぶ訓練を積んでいきましょう。

【2】イディオム問題(大問1 (11)〜(15))

1) どんな問題が出ているの?

大問1の(11)〜(15)は、いわゆる「イディオム問題」に該当します。

イディオムとは、「複数の語が組み合わさって、ある特定の意味を持つ表現」のことを指します。

そのため、個々の単語の意味を知っているだけでは、イディオムの意味を正しく理解し、問題に正答することはできません。

これは単語の意味を問う語彙問題とは異なり、「語の組み合わせ」に関する知識が問われる問題だと理解してください。

例えば“carry out”というイディオムがあります。

この表現は「carry(運ぶ)」+「out(外へ)」という語の意味をそのまま組み合わせても、正しい意味を推測することはできません。

“carry out”は「(計画などを)実行する」という特別な意味のイディオムであり、それを知識として覚えていないと正しく解答できないのです。

(例)She carried out her plan to start a small business after graduation.

(彼女は卒業後、小さなビジネスを始めるという計画を実行に移しました。)

過去に出題されたイディオムをいくつか紹介します。

ざっと目を通すことで、難易度や出題傾向を実感できるはずです。

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過去に出題されたイディオム

after a while(しばらくして)

at length (ついに、やっと)

by heart(暗記して)

come across(偶然出会う、見つける)

drive at(言おうとしている、意図する)

get over(克服する、乗り越える)

get through(切り抜ける、通過する)

give off(〈におい・熱・光など〉発する)

give way(屈する、譲る)

go wrong(うまくいかない、間違える)

hand over(引き渡す、譲り渡す)

in advance(前もって、事前に)

make out(理解する、判読する)

on purpose(わざと、故意に)

put away (片付ける、しまう)

put up with(我慢する、耐える)

run across(偶然出会う、偶然見つける)

see off(見送る)

set out(出発する、着手する)

take after(〈親族などに〉似ている)

take in(取り入れる、理解する)take place (起こる、行われる)

2) どうやって解けばいいの?

この3ステップでOKです。

【ステップ1】問題文の意味を考える

まずは会話や文全体の意味を考える。どんな場面?何を伝えようとしてる?

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

「あ、このイディオムはこういう意味だったな」と思い出しましょう。

【ステップ3】問題文に入れてみて自然な文になるか確認する

4つの選択肢をカッコに入れてみて、いちばん自然な意味が通る表現を選ぶ。

3) 実際にやってみよう!

問3

A : Are you going to have your soccer game this afternoon?

B : No, we had to (    ) it because of the heavy rain. We’ll play next weekend instead.

1 carry out   2 put off   3 run short   4 fall short

【ステップ1】問題文の意味を考える

A : Are you going to have your soccer game this afternoon?

→ 今日の午後、サッカーの試合はあるの?

B : No, we had to (    ) it because of the heavy rain. We’ll play next weekend instead.

→ いや、大雨のせいで(    )ことになったんだ。代わりに来週末にやる予定だよ。

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

  • 1 carry out(実行する)  →×「外に運ぶ」
  • 2 put off(延期する)  →×「離れておく」
  • 3 run short(使い果たす)  →×「短く走る」
  • 4 fall short(目標に達しない)  →×「短く落ちる」

【ステップ3】問題文に入れてみる

1 大雨のせいで(実行する)ことになったんだ。☞意味不明!

2 大雨のせいで(延期する)ことになったんだ。☞意味が通るのはこれだけなので正解!

3 大雨のせいで(使い果たす)ことになったんだ。☞意味不明!

4 大雨のせいで(目標に達しない)ことになったんだ。☞意味不明!

(注)慣れてきたら…

問1・2と同様に、「空所にはこんな単語が入りそうだ」と、正解になりそうなイディオムを予想してみると、「サッカーの試合が大雨で(    )」という状況ですから、常識的に考えれば「延期する」「中止する」「順延する」などが空所に入ると予想できます。その予想を頭に描いて選択肢を眺めると、2 put off(延期する)が正解だと瞬時に判断できますね。

問4 

Karen was trying to fix her old computer, but she couldn’t (    ) what was wrong with it. Finally, she decided to buy a new one.

1 fill out   2 figure out   3 break down   4 grow up

【ステップ1】問題文の意味を考える

Karen was trying to fix her old computer, but she couldn’t (    ) what was wrong with it. Finally, she decided to buy a new one.

→カレンは古いコンピューターを修理しようとしていたが、どこが悪いのかを(    )ことができなかった。最終的に、彼女は新しいものを買うことに決めた。

【ステップ2】選択肢の意味を思い出す

  • 1 fill out(書類に記入する)  →×「外を満たす」
  • 2 figure out(解明する、理解する)  →×「外を描く」
  • 3 break down(故障する、壊れる)  →×「下に壊す」
  • 4 grow up(成長する、大人になる)  →×「上に増す」

【ステップ3】問題文に入れてみる

2 何が悪いのかを(解明する、理解する)ことができなかった☞意味が通るのはこれだけなので正解!

(注)慣れてきたら…

「空所にはこんな単語が入りそうだ」と、正解になりそうなイディオムを予想してみると、「コンピューターを修理しようとしていたが、何が悪いのかを(    )ことができなかった(=不調の原因がわからなかった)」という状況ですから、常識的に考えれば「突き止める」「見つけ出す」「解明する」などが空所に入ると予想できます。その予想を頭に描いて選択肢を眺めると、2 figure out(解明する、理解する)が正解だと瞬時に判断できますね。

どうやって勉強したらいいの?

重要なポイントは、単語を単独で覚えるのではなく、フレーズ(語のまとまり)として覚えることです。

理想的には、具体的な文脈の中で実際にどのように使われているのかを知ることで、意味の理解が深まり、記憶にも定着しやすくなります。
たとえば以下のように具体的な例文で覚えることを勧めます。

△put off(延期する)というフレーズで覚える

◎We put off our soccer game because of the heavy rain.

(大雨のせいでサッカーの試合を延期した

という例文で覚える

△figure out(問題を解明する、理解する)というフレーズで覚える

◎She couldn’t figure out what was wrong with her old computer.

(彼女は古いコンピューターのどこが悪いのか分からなかった

という例文で覚える

米山先生
米山先生

イディオムの学習では、「単語単体の意味」を知っているだけでは、実際の会話や読解に活かすことは難しいものです。

大切なのは、語と語の「つながり」や「相性」を、実際の使用例を通して感覚的に身につけていくことです。

「この表現、どこかで聞いたことがある!」という段階から、

「この表現ならすぐに使える!」という段階へと進むには、繰り返しに勝る方法はありません。

日常的に例文に触れながら、少しずつ使い方を体にしみ込ませていきましょう。

それでは、次回も、英検®準2級の世界を一緒にじっくり見ていきましょう!

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