英検®準2級攻略!大問5ライティング(Eメール)問題対策【米山達郎の英検®攻略ブログ】

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みなさんこんにちは、米山達郎(よねやま・たつろう)です。

この記事の著者

米山 達郎よねやま たつろう

京都大学の文学部を卒業してから、長い間、河合塾で模擬試験を作るリーダーをしていました。現在は、資格試験や大学入試の問題を作ったり、学校の先生たちのサポートをしたりしています。これまでに作った本には、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『英作文バイブル和文英訳編/自由英作文編』(Z会)、『パラグラフリィーディングのストラテジー1/2/3』(河合出版)などがあります(いずれも共著です)。

📘 詳しいプロフィール・著書情報はこちら → 米山達郎先生プロフィール

ふだんは大学入試や英検®、TOEICなどのテスト問題を作る仕事をしていますが、このブログでは、英検®準2級の問題を見ながら、「英検®準2級ではこんな問題が出るんですよ」「こんな力が求められているんですね」といったことを、できるだけわかりやすく伝えていきたいと思っています。

ちょうど文化人類学者がある村を訪れて、その村の暮らしや文化を観察・記録・分析する「エスノグラフィー」の手法と同じように、私はこのブログで、英検®準2級という「世界」を観察・記録・分析して、その真の姿をみなさんに伝えるつもりで書いています。

このブログを読んで、「英検®準2級ってこんな感じなんだな」「こうやって勉強すればいいのかも」と感じてもらえたらうれしいです。

なお、ブログに出てくる問題はすべてオリジナルで、実際の過去問ではありません。過去問を見てみたいという方は、英検®の公式サイトをご覧ください:

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ライティング(Eメール)問題(大問5)

この問題では、外国人の友だちから来たメールに対する返信を、40語〜50語の英文で書いてもらいます。

設問条件は

  • 相手に質問に答える。
    下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書く。

なので、以下の順番で解いていくことになります。

解き方のポイント3つ

【ステップ1】まず、相手に質問に答える

【ステップ2】次に、下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書く

【ステップ3】語数が足りないときは、もう1文足そう

それではそれぞれの手順を詳しく見ていきましょう。

【ステップ1】まず、相手に質問に答える

Do you think …?(あなたは…と思いますか?)という「意見」を聞かれているので、

  • 肯定的な意見:(Yes,) I think …(私は…と思う)
  • 否定的な意見:(No,) I don’t think …(私は…ないと思う)

と答えるのが原則です。

(注)英語では否定的な意見を述べる場合は、〈I think+否定文〉ではなく、〈I don’t think+肯定文〉という形を用いるのが一般的です。

ただし、意見だけをポツンと書くとあまりにもそっけなくなってしまい、メールの返信として失礼・不自然になる場合もあります。そういう場合はさらに簡単な説明を加えるといいでしょう。

例えば、Do you think the new restaurant will become popular? (その新しいレストランは流行ると思う?)に対する答えとして…

I think it will become popular.(流行ると思う)

だけではあまりにも淡泊すぎますね。

「流行る」という意見の根拠として「事実」を加えてみましょう。

I think it will become popular. I saw a long line in front of it yesterday.

(昨日長い行列ができていた)

1文を加えるだけでぐっと自然な文面になっていますね。

否定の場合もI don’t think it will become popular. (流行ると思わない)だけでよりも、

I don’t think it will become popular. It hasn’t had many customers since it opened.

(オープンしてからあまり客が入っていない)

などと説明を加えるとぐっと完成度が上がりますね。

もっと言えば、【ステップ2】の2つの質問ではあまり多くの語数は稼げないので(よくて20語程度)、【ステップ1】の回答である程度の字数を稼ぐと後が楽になるという事情もあります。目安としては【ステップ1】の回答で15〜20語くらい書けると理想的です。もちろん最終的には【ステップ3】で語数調整はできるので、あまり無理をする必要はありません。

【ステップ2】次に、下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書く

質問の仕方は、〈疑問詞を用いるパターン〉と、〈疑問詞を用いないパターン〉に分かれます。下線部がa new restaurant(新しいレストラン)だとして、具体例を見てみましょう。

〈疑問詞を用いるパターン〉

When is the restaurant usually the busiest?

  そのレストランがいちばん混雑するのはいつですか?

 (=客の動きや人気の時間帯という特徴を問う)

Where do most customers like to sit?

  多くの客が好んで座る場所はどこですか?

 (=座席配置や人気エリアの特徴)

Who usually goes to the restaurant?

  そのレストランにはふだんどんな人がよく来ますか?

 (=客層の特徴を問う)

What is the atmosphere like at the restaurant?

  レストランの雰囲気はどんな感じですか?

 (=空間・居心地の特徴)

What kind of music does the restaurant play?

  そのレストランではどんな音楽が流れていますか?

 (=雰囲気・コンセプトの特徴)

Which dish is the most popular at the restaurant?

  そのレストランで一番人気の料理はどれですか?

 (=メニューの特徴)

How is the lighting in the restaurant?

  そのレストランの照明はどんな感じですか?

 (=空間演出や雰囲気の特徴)

How many seats are there in the restaurant?

  レストランには席がいくつありますか?

 (=規模の特徴を問う)

How much do meals usually cost at the restaurant?

  そのレストランの料理の値段はふつうどのくらいですか?

 (=価格帯の特徴)

How long do people usually stay at the restaurant?

  人々はそのレストランにふつうどれくらいの時間滞在しますか?

 (=居心地や雰囲気の特徴を問う)

(注)あくまでも「特徴を問う」疑問文にすること!

以下は「特徴を問う」疑問文ではないので減点対象になります。

(×) When did you go to the new restaurant?

  その新しいレストランにはいつ行きましたか?

 (=訪問の時期を尋ねている。レストランの特徴そのものではない)

(×) Who did you go to the restaurant with?

  そのレストランには誰と行きましたか?

 (=同行者について尋ねており、店の特徴ではない)

(×) How did you get to the restaurant?

  そのレストランにはどうやって行きましたか?

 (=交通手段の話であり、店の特徴ではない)

(×) What did you eat at the restaurant?

  そのレストランで何を食べましたか?

 (=行動の内容を尋ねており、料理の特徴を直接問うわけではない)

(×) Which day did you make the reservation for?

  予約は何曜日に取りましたか?

 (=スケジュールの話であり、特徴ではない)

〈疑問詞を用いないパターン〉

Is the restaurant family-friendly?

  そのレストランは家族連れに向いていますか?

 (=客層・雰囲気の特徴)

Are the dishes served quickly at the restaurant?

  そのレストランでは料理がすぐに出てきますか?

 (=サービスの速さという特徴)

Do they offer any special lunch menus?

  特別なランチメニューはありますか?

 (=メニューの種類・時間帯の特徴)

Does the restaurant use local ingredients?

  そのレストランは地元の食材を使っていますか?

 (=食材・こだわりの特徴)

Did the restaurant feel quiet and relaxing?

  レストランは静かで落ち着いた感じでしたか?

 (=雰囲気・居心地の特徴)

Can you see the kitchen from your seat?

  席からキッチンが見えますか?

 (=店のつくり・開放感の特徴)

May I take pictures inside the restaurant?

  レストランの中で写真を撮ってもよいですか?

 (=ルールや雰囲気の特徴)

Has the restaurant received any awards?

  そのレストランは何か賞を受けたことがありますか?

 (=評価・実績の特徴)

(注)あくまでも「特徴を問う」疑問文にすること!

以下は「特徴は問う」疑問文ではないので減点対象になります。

(×) Did you go to the restaurant last weekend?

  先週末、そのレストランに行きましたか?

 (=訪問の有無を聞いている。特徴には触れていない)

(×) Are you planning to visit the restaurant again?

  またそのレストランに行くつもりですか?

 (=予定を聞いている。店の性質ではない)

(×) Did you go there with your family or friends?

  家族と行きましたか?それとも友達と?

 (=誰と行ったかという行動に関する質問)

(×) Is the restaurant open today?

  そのレストランは今日営業していますか?

 (=営業状況の確認。特長ではない)

Do you remember the name of the restaurant?

  そのレストランの名前を覚えていますか?

 (=記憶の有無を聞いている)

【ステップ3】語数が足りないときは、もう1文足そう

相手の質問に答えて、下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書いても、40語という最低語数に足りないこともあります。そういう場合は、最後の質問の内容と自然につながるように、「説明」「気持ち」「誘い」などをもう1文(one sentence)加えましょう。

例えば、Does the restaurant serve vegetarian dishes?(そのレストランにはベジタリアン料理がありますか?)に追加するとしたら、こんな感じになります。

簡単な説明を加える

It’s important because my friend is vegetarian.

(友だちがベジタリアンなので大事なんです)

☞ベジタリアン料理があるかという質問をした意図・理由を加えるのは自然な流れ。

希望を言う

 I hope they have some good options.

 (おいしいメニューがあるといいな)

楽しみにしている

 I really want to try it next weekend!

 (来週末に試してみたいと思ってるんだ!)

相手を誘う

 Would you like to go there with me?

 (一緒に行ってみない?)

このように「あともう1文加える」ときに使える便利な表現は、普段の学習をするときに意識的にインプットして準備しておくといいですね。

実際にやってみよう!

では問題にチャレンジしてみましょう。

制限時間は5分です。


● あなたは,外国人の知り合い(Sophie)から,Eメールで質問を受け取りました。 この質問にわかりやすく答える返信メールを,[               ]に英文で書きなさい。 

● あなたが書く返信メールの中で,SophieのEメール文中の下線部について,あなたがより理解を深めるために,下線部の特徴を問う具体的な質問を2つしなさい。 

● あなたが書く返信メールの中で に書く英文の語数の目安は40語~50語です。

Hi!

I want to share something exciting. My family just got a new puppy last week! We named him Max. He is very playful and full of energy. He likes to run around the garden and play with toys. It’s a lot of work to take care of him, but it is also a lot of fun. Do you think it is difficult to train a puppy?

Your friend,

Sophie

Hi, Sophie! 

Thank you for your e­mail. 

[                                                                             ]

Best wishes, 


それでは解答例を確認しましょう。

  • 相手に質問に答えているか?
  • 下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書いているか?
  • 語数は40語〜50語になっているか?

この3つの観点から解答例をじっくりと観察しましょう。

〈解答例①〉

I think it is difficult to train a puppy, but it can be very fun. What kind of toys does Max like to play with? How long does he usually run around in the garden? I hope you enjoy your time with him! (43語)

(子犬のしつけは難しいけれど、とても楽しいことでもあるよね。マックスはどんなおもちゃで遊ぶのが好き?普段は庭をどのくらい走り回っているの?マックスとの時間を楽しんでね!)

〈解説〉

・I think it is difficult to train a puppy, but it can be very fun. (15語)

☞相手の質問(Do you think it is difficult to train a puppy?)に答えている!

☞but it can be very funを加えることで自然な受け答えになっている。

・What kind of toys does Max like to play with? How long does he usually run around in the garden? (20語)

☞下線部(a new puppy)の特徴を問う具体的な質問を2つ書いている!

☞「おもちゃの種類」「遊ぶ時間」は特徴と言える。

・I hope you enjoy your time with him!  (8語)

☞直前までで35語。語数が足りないので「希望」を表す1文を加えている。

☞これで全体の語数は44語。40語〜50語に収まっている!

〈解答例②〉

I think it is easy to train a puppy if you are patient and kind. Puppies learn fast when they are happy. What kind of food does Max like? Does he sleep in your room or in a different place?(40語)

(あなたが根気強くて優しければ、子犬のしつけは簡単だと思います。子犬は、幸せなときによく学びます。マックスはどんな食べ物が好きですか?彼はあなたの部屋で寝ていますか?それとも別の場所ですか?)

〈解説〉

・I think it is easy to train a puppy if you are patient and kind. Puppies learn fast when they are happy.(22語)

☞相手の質問(Do you think it is difficult to train a puppy?)に答えている!

☞if you are patient and kindという「条件」と、Puppies learn fast when they are happy.という「事実」を加えることで説得力を増している。

・What kind of food does Max like? Does he sleep in your room or in a different place?(18語)

☞下線部(a new puppy)の特徴を問う具体的な質問を2つ書いている!

☞「食べ物の好み」「寝る場所」は特徴と言える。

☞これで全体の語数は40語。40語〜50語に収まっている! 語数は足りているのでさらに1文を加える必要はない。

ライティング(Eメール)問題まとめ

解き方のポイントは次の3つでした。演習問題で、しっかりと定着させていきましょう。

  1. まず、相手に質問に答える
  2. 次に、下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書く
  3. 語数が足りないときは、もう1文足そう

それでは、次回も、英検®準2級の世界を一緒にじっくり見ていきましょう!

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