英検®2級攻略!大問2読解空所補充問題対策【米山達郎の英検®攻略ブログ】

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みなさんこんにちは、米山達郎(よねやま・たつろう)です。

この記事の著者

米山 達郎よねやま たつろう

京都大学の文学部を卒業してから、長い間、河合塾で模擬試験を作るリーダーをしていました。現在は、資格試験や大学入試の問題を作ったり、学校の先生たちのサポートをしたりしています。これまでに作った本には、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『英作文バイブル和文英訳編/自由英作文編』(Z会)、『パラグラフリィーディングのストラテジー1/2/3』(河合出版)などがあります(いずれも共著です)。

📘 詳しいプロフィール・著書情報はこちら → 米山達郎先生プロフィール

私はふだん、大学入試や英検®、TOEICなどのテストを作る仕事をしています。このブログでは、英検®2級の問題を見ながら、「英検®2級ではこういう問題が出ている」「こんなスキルが必要とされる」ということを、わかりやすく伝えていきます。

ちょうど文化人類学者がある村に行って、その村の暮らしを観察して「この村にはこんな文化がありますよ」と紹介するように、私は英検®2級という「世界」をみなさんに紹介する気持ちで書いています。

このブログを読むことで、「英検®2級ってこんな感じなんだ」「こうやって勉強したらいいんだな」と実感してもらえたらうれしいです。

なお、ブログに出てくる問題はすべてオリジナルで、実際の過去問ではありません。英検®の過去問を見たい方は、こちらをご覧ください:

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読解空所補充問題(大問2 (18)〜(23))

1) どんな問題が出ているの?

大問2A/Bでは、それぞれ250語程度の英語の文章を読んで、その中にある3つの空所に最も適切な語句を選んで入れる問題が出題されます。

2) どうやって解けばいいの?

空所に入る適切な語句を正確に見つけるためには、次の3つのステップで解いていくのがおすすめです。

【ステップ1】まずは本文全体の大まかな内容をつかむ

最初から細かい単語や文法にこだわりすぎる必要はありません。まずはざっくりと読んで、「どんな話か」「誰がどんなことをしているか」「どんな気持ちか」など、物語の流れや登場人物の動き・気持ちを大まかに理解することが大切です。

この段階では、「だいたいこういう話だな」という概要がつかめればOKです。

【ステップ2】空所の前後の文をもう一度しっかり読む

次に、空所(が含まれている文と、その前後の文をもう一度丁寧に読み直します。この部分だけは正確に意味をとらえる必要があります。

内容がわかれば、「ここにはこういう言葉が入りそうだな」と自然とイメージが湧いてくることもあります。このとき、まだ選択肢は見ずに、空欄に入りそうな語句を自分なりに予想してみるのも効果的です。

【ステップ3】 選択肢を文の中に当てはめて検討する

最後に、4つの選択肢を実際に空所に当てはめてみて、「どれが一番自然な文になるか?」「前後の内容と矛盾がないか?」をしっかり確認しましょう。

不自然な選択肢や、話の流れに合わない選択肢はこの時点で消していくことで、消去法によって正解を絞り込むこともできます。

この問題は、ストーリー全体の流れや人物の気持ちを読み取る力が問われています。

ですから、「本文をざっくり読んで全体をつかむ→空所まわりの文はしっかり読む→選択肢を代入して文全体の意味として自然かどうかを確認する」という基本的な3ステップを守ることが、得点アップにつながります。

3) 実際にやってみよう!

それでは、オリジナル問題にチャレンジしましょう。

制限時間2分で解いてみてください。


次の英文を読み,その文意にそって(18) から(20) の(   )に入れるのに 最も適切なものを 1,2,3,4 の中から一つ選び,その番号を解答用紙の 所定欄にマークしなさい。 

Urban Beekeeping

 In many big cities around the world, people have started keeping bees on rooftops. These beekeepers take care of the bees and collect honey. Surprisingly, the honey from city bees is often very clean and tasty. This is because bees can find a variety of flowers in parks and gardens, and the air is sometimes cleaner high above the streets. Some restaurants in big cities even use honey ( 18 ) on their rooftops.

 One reason people enjoy urban beekeeping is that it helps the environment. Bees are important for plants because they carry pollen from one flower to another, which helps fruits and vegetables grow. However, the number of bees is decreasing in many places due to pollution, the loss of green spaces, and the use of pesticides. Without enough bees, many kinds of plants cannot grow well. By keeping bees in the city, people feel they are protecting the environment and nature. They believe that ( 19 ) can make a difference.

 Urban beekeeping also creates communities. Beekeepers often share advice and hold local events together. They invite neighbors and children to learn about bees and honey. Some schools work with local beekeepers to teach students about nature and the importance of protecting the environment. For example, people who attend these events often become more interested in starting their own hives or growing flowers for bees. ( 20 ), urban beekeeping is becoming both a hobby and a way to protect the environment.

(18)

1 they found at supermarkets

2 made by bees in other countries

3 that they produce themselves

4 that is cheaper than sugar

(19)

1 even small actions in daily life

2 far more new shops in large cities

3 expensive products from stores

4 just traveling abroad once a year

(20)

1 By contrast

2 At the same time

3 On the other hand

4 As a result


〈語句リスト〉

  • rooftop 屋上
  • collect A Aを集める
  • tasty おいしい
  • carry A Aを運ぶ
  • pollen 花粉
  • grow 成長する、育つ
  • pollution 汚染
  • pesticide 農薬
  • make a difference 違いを生み出す、影響を与える
  • share A Aを共有する
  • hold A Aを開催する
  • local 地元の、地域の
  • invite A Aを招待する
  • attend A Aに参加する
  • hive (ミツバチの)巣箱

それでは解説です。

【ステップ1】まずは本文全体の大まかな内容をつかむ

☞ここでは、全訳を参考にして「だいたいの内容を理解できた(=大きな読み間違いはしなかった)」かどうかを確認しましょう。

都会の養蜂

 世界中の多くの大都市で、人々がビルの屋上でミツバチを飼い始めています。これらの養蜂家たちはミツバチの世話をし、ハチミツを集めます。驚いたことに、都会のミツバチが作るハチミツは、しばしばとてもきれいでおいしいのです。これは、ミツバチが公園や庭にあるさまざまな花を見つけることができ、また、地上より高い場所では空気がよりきれいなことがあるためです。大都市のレストランの中には、屋上で(18:自分たちで作った)ハチミツを使うところもあります。

 人々が都会の養蜂を楽しむ理由の一つは、それが環境を助けることにあります。ミツバチは花から花へと花粉を運ぶことで、植物、特に果物や野菜の成長を助けてくれる大切な存在です。しかし、汚染や緑地の減少、農薬の使用などにより、多くの地域でミツバチの数が減っています。十分な数のミツバチがいなければ、多くの植物がうまく育たなくなります。都会でミツバチを飼うことで、人々は環境や自然を守っているという気持ちになれるのです。彼らは、(19:日常生活の中の小さな行動でも)変化をもたらせると信じています。

 都会の養蜂はまた、人と人とのつながりも生み出します。養蜂家たちはアドバイスを共有したり、地域のイベントを一緒に開催したりします。彼らは近所の人々や子どもたちを招いて、ミツバチやハチミツについて学んでもらいます。地域の養蜂家と協力して、自然や環境保護の大切さを学ぶ授業を行っている学校もあります。たとえば、こうしたイベントに参加した人々は、自分でも巣箱を作ってみたり、ミツバチのために花を育てたりすることに興味を持つようになります。(20:その結果)、都会の養蜂は趣味としてだけでなく、環境を守る手段としても広まりつつあるのです。

【ステップ2】空所の前後の文をもう一度しっかり読む

【ステップ3】 選択肢を文の中に当てはめて検討する

☞ここでは設問の順番で英文を再録して解説をしていきます。

空所(18)

①In many big cities around the world, people have started keeping bees on rooftops. ②These beekeepers take care of the bees and collect honey. ③Surprisingly, the honey from city bees is often very clean and tasty. ④This is because bees can find a variety of flowers in parks and gardens, and the air is sometimes cleaner high above the streets. ⑤Some restaurants in big cities even use honey ( 18 ) on their rooftops.

(①世界中の多くの大都市で、人々がビルの屋上でミツバチを飼い始めています。②これらの養蜂家たちはミツバチの世話をし、ハチミツを集めます。③驚いたことに、都会のミツバチが作るハチミツは、しばしばとてもきれいでおいしいのです。④これは、ミツバチが公園や庭にあるさまざまな花を見つけることができ、また、地上より高い場所では空気がよりきれいなことがあるためです。⑤大都市のレストランの中には、屋上で( 18 )ハチミツを使うところもあります。)

【正解】3 that they produce themselves

【解説】

¶1のトピックセンテンスは、① In many big cities around the world, people have started keeping bees on rooftops.(世界中の多くの大都市で、人々がビルの屋上でミツバチを飼い始めています)です。

この文が段落の中心的な話題(トピック)を示していて、「都会の屋上での養蜂」がテーマだと分かります。

そのあとに続く②〜⑤の文では、このトピックを詳しく説明しています。

特に⑤のSome restaurants in big cities even use honey ( 18 ) on their rooftops.(大都市のレストランの中には、屋上で(18)のハチミツを使うところもあります)では、「どんなハチミツか」を説明する語句が空所に求められています。

ここにふさわしいのが、選択肢3のthat they produce themselves(彼ら自身が生産した)です。

このthatは目的格の関係代名詞で、先行詞のhoneyを後置修飾し、「レストランの屋上で自分たちで作ったハチミツを使っている」という意味になります。

さらに⑤のSome restaurantsという複数の主語に対して、theyやthemselvesという代名詞で受けている点も文法的に自然であり、選択肢3が最も適切であることを裏付けています。

空所(19)

①One reason people enjoy urban beekeeping is that it helps the environment. ②Bees are important for plants because they carry pollen from one flower to another, which helps fruits and vegetables grow. ③However, the number of bees is decreasing in many places due to pollution, the loss of green spaces, and the use of pesticides. ④Without enough bees, many kinds of plants cannot grow well. ⑤By keeping bees in the city, people feel they are protecting the environment and nature. ⑥They believe that ( 19 ) can make a difference.

(①人々が都会の養蜂を楽しむ理由の一つは、それが環境を助けることにあります。②ミツバチは花から花へと花粉を運ぶことで、植物、特に果物や野菜の成長を助けてくれる大切な存在です。③しかし、汚染や緑地の減少、農薬の使用などにより、多くの地域でミツバチの数が減っています。④十分な数のミツバチがいなければ、多くの植物がうまく育たなくなります。⑤都会でミツバチを飼うことで、人々は環境や自然を守っているという気持ちになれるのです。⑥彼らは、( 19 )変化をもたらすと信じています。)

【正解】1  even small actions in daily life

【解説】

¶2では、「都会の養蜂=環境保護の実践」というテーマが述べられています。

⑤の文では、By keeping bees in the city, people feel they are protecting the environment and nature.(都会でミツバチを飼うことで、人々は環境や自然を守っているという気持ちになれる)とあります。

この内容を受けて、⑥のThey believe that ( 19 ) can make a difference.(彼らは、(19)が変化を生み出すと信じている)という文が続きます。

ここで空所に最もふさわしいのは、選択肢1のeven small actions in daily life(日常生活の中の小さな行動でさえ)です。

つまり、「都会でミツバチを飼うこと」という行動は、日常生活の中でできる小さな取り組みでありながら、自然や環境を守るという意味のある行動だという信念が述べられているわけです。

「環境保護」というと大がかりな活動を想像しがちですが、この文章では、日常のささやかな行動の積み重ねが変化をもたらすという考えが示されています。その意味で、make a difference(違いを生む)という定型表現とも非常に相性が良く、文全体に自然につながっています。

空所(20)

①Urban beekeeping also creates communities. ②Beekeepers often share advice and hold local events together. ③They invite neighbors and children to learn about bees and honey. ④Some schools work with local beekeepers to teach students about nature and the importance of protecting the environment. ⑤For example, people who attend these events often become more interested in starting their own hives or growing flowers for bees. ⑥( 20 ), urban beekeeping is becoming both a hobby and a way to protect the environment.

(①都会の養蜂はまた、人と人とのつながりも生み出します。②養蜂家たちはアドバイスを共有したり、地域のイベントを一緒に開催したりします。③彼らは近所の人々や子どもたちを招いて、ミツバチやハチミツについて学んでもらいます。④地域の養蜂家と協力して、自然や環境保護の大切さを学ぶ授業を行っている学校もあります。⑤たとえば、こうしたイベントに参加した人々は、自分でも巣箱を作ってみたり、ミツバチのために花を育てたりすることに興味を持つようになります。⑥( 20 )、都会の養蜂は趣味としてだけでなく、環境を守る手段としても広まりつつあるのです。)

【正解】4  As a result

【解説】

¶3では、都会の養蜂が「人と人とのつながりを生み出す」ことがテーマです。

②~⑤の文では、養蜂を通じて地域でどのような活動が行われているか、具体的な事例が紹介されています。

②養蜂家がアドバイスを共有し、地域イベントを開催している

③近所の人々や子どもたちを招いて学んでもらっている

④地域の学校が養蜂家と協力して授業を行っている

⑤イベントに参加した人が、自分でも養蜂や花を育てることに興味を持つようになる

そして最後の⑥文では、これらの活動のまとめとして、「都会の養蜂は趣味としてだけでなく、環境を守る手段としても広まりつつある」という結論が述べられています。

ここで必要なのは、「これまで述べてきた内容の結果として、こうなった」という因果関係を示すつなぎ言葉です。その役割を果たすのが、選択肢4のAs a result(その結果)です。

As a resultを入れることで、「地域との交流や教育の取り組みなどが行われた結果、都会の養蜂が広がってきた」という流れが自然につながりますね。

まとめ:読解空所補充問題の対策

「空所に入る最も自然な語句」を選べるようになるには、次の3つの力が必要です。

1) 文脈を大まかに理解する「速読力」

空所補充問題では、文章全体の流れや主題を大まかにつかむ力が求められます。

最初からすべての単語の意味を追うのではなく、「誰が何をしているか」「何についての話か」をざっくりと把握し、ストーリーや説明の大枠をつかむ力を身につけましょう。

特に、登場人物の感情の変化や話の展開(問題→対処→結果など)を意識すると、文脈理解がよりスムーズになります。

2) 空所の前後をていねいに読む「精読力」

空所に何が入るかを判断するためには、空所の前後をしっかり読み込むことが欠かせません。特に、主語と述語の一致、時制の一致、接続詞(but, so, becauseなど)との関係性を正確にとらえることが重要です。

また、同じ語でも文脈によって意味が変わる場合があるため、その場面における「自然な表現」を判断する目を養っていく必要があります。

3) 英語の語順や言い回しに慣れる「言語感覚」

英語は語順や表現の型にある程度の決まりがあります。たとえば、「形容詞+名詞」「主語+動詞+目的語」などの基本構造に慣れておくことで、空所に何が入り得るかが直感的にわかるようになります。

また、よく使われるコロケーション(語の組み合わせ)やイディオムを身につけることで、選択肢の中から「意味は通るけど不自然」なものを除外する力もついてきます。

米山先生
米山先生

これら3つの力をバランスよく鍛えることで、空所補充問題で「最も自然な語句」を選ぶ力が確実に高まっていきます。日々の英語学習の中で、「速読→精読→型への慣れ」という順に意識して取り組むことがポイントです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。