英検®3級攻略!大問3C英文読解問題対策【米山達郎の英検®攻略ブログ】

みなさんこんにちは、米山達郎(よねやま・たつろう)です。

この記事の著者

米山 達郎よねやま たつろう

京都大学の文学部を卒業してから、長い間、河合塾で模擬試験を作るリーダーをしていました。現在は、資格試験や大学入試の問題を作ったり、学校の先生たちのサポートをしたりしています。これまでに作った本には、『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)、『英作文バイブル和文英訳編/自由英作文編』(Z会)、『パラグラフリィーディングのストラテジー1/2/3』(河合出版)などがあります(いずれも共著です)。

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私はふだん、大学入試や英検®、TOEICなどのテストを作る仕事をしています。このブログでは、英検®3級の問題を見ながら、「英検®3級ではこういう問題が出ている」「こんなスキルが必要とされる」ということを、わかりやすく伝えていきます。

ちょうど文化人類学者がある村に行って、その村の暮らしを観察して「この村にはこんな文化がありますよ」と紹介するように、私は英検®3級という「世界」をみなさんに紹介する気持ちで書いています。

このブログを読むことで、「英検®3級ってこんな感じなんだ」「こうやって勉強したらいいんだな」と実感してもらえたらうれしいです。

なお、ブログに出てくる問題はすべてオリジナルで、実際の過去問ではありません。英検®の過去問を見たい方は、こちらをご覧ください:

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英文読解問題(大問3C (26)〜(30))

大問3Cの(26)〜(30)は4つのパラグラフから成る英文を読んで、その内容について設問に答える問題です。

基本的な「本文の読み方」と「設問の解き方」

【ステップ1】本文の内容を大まかにとらえる

各パラグラフが何について書かれているか整理して、パラグラフごとに「脳内マップ」を作って行きましょう。最終的には「英文全体のテーマ、筆者の主張、パラグラフどうしの論理展開」をつかむことが目的です。この読み方をすれば、最後まで本文を読んだ段階で問5がすぐに解けることになります。なぜなら、問5は「英文全体で筆者の言いたいこと」や「英文全体をまとめた内容」に関わる設問だからです。

ただし、3Cは各パラグラフからそれぞれ順番に設問を作っているので、「¶1を読んで問1を解く→¶2を読んで問2を解く→¶3を読んで問3を解く→¶4を読んで問4を解く…」というやり方で解く方が実践的と言えます。問5だけは「筆者の言いたいこと」や「英文全体をまとめた内容」に関わりますが、問1〜4までが「ヒント」のような役割をしているので、わざわざ英文全体をもう一度読まなくても十分に解くことが可能です。

【ステップ2】設問を読んで、答えのヒントを探す

次に、設問を読んで、設問のキーワード(語句や日付、人名など)も手がかりにして、「この設問の答はパラグラフのどのあたりにあったかな?」と関係ありそうな部分に戻って、そこだけはきちんと読んで内容を理解します。「脳内マップ」があれば、そのパラグラフのどこに戻ればいいかすぐわかりますね!

【ステップ3】本文と選択肢をくらべる

選択肢と本文で表現が異なっていても、内容がほぼ同じなら「正解」になります。このような、本文と選択肢の「言いかえ(パラフレーズ)」には十分に気をつけましょう。

オリジナル問題にチャレンジ

制限時間5分で解いてみてください。


次の英文の内容に関して,(26)から(30)までの質問に対する答えとして最も適切なもの,または文を完成させるのに最も適切なものを1,2,3,4の中から一つ選び,その番号のマーク欄をぬりつぶしなさい。

Zookeeper Anna Davis

 Anna Davis works at Green Hill Zoo in Canada. She has loved animals since she was a child. When she was ten years old, she started volunteering at a small animal shelter near her house. She helped clean cages, fed the animals, and even walked dogs in the nearby park. She enjoyed spending time with animals and learned how to care for them. Her dream was to take care of wild animals someday.

 After finishing university, Anna got a job at the zoo. At first, she worked with birds such as parrots and owls. She learned how to feed them, clean their living spaces, and train them for shows. Now, she works with larger animals like monkeys and bears. She checks their health every morning, prepares special food, and watches their behavior carefully. If an animal looks tired or sick, she quickly tells the zoo’s vet.

 The zoo is open every day, so Anna works on weekends and holidays, too. She usually starts work at 7:00 a.m. and finishes in the late afternoon. Sometimes her job is difficult, especially when animals are sick, scared, or not eating well. But she says it’s worth it because she loves helping them feel safe and happy. She also talks to zoo visitors and answers their questions about the animals’ lives.

 Anna hopes more young people will become interested in animal care. She visits schools and gives short talks about her job. She shows pictures and tells stories about the animals she works with. “It’s important to protect animals and learn about them,” she says. “If more people understand animals, they will want to help them in the future.”

問15 What did Anna do when she was ten years old?

1 She studied wild animals at university.

2 She took care of animals at a shelter.

3 She gave talks about animals at school.

4 She worked at a zoo in Canada.

問16 What animals does Anna work with now?

1 Only birds

2 Fish and turtles

3 Large animals like monkeys and bears

4 Small pets like cats and dogs

問17 Why is Anna’s job sometimes hard?

1 She has to work long hours and travel abroad.

2 The zoo is closed on weekends, so she loses work time.

3 Some animals don’t feel well or seem unhappy.

4 She cleans the zoo alone without any help.

問18 What does Anna want young people to do?

1 Spend more time at the zoo playing with animals.

2 Think more about how animals live and how to help them.

3 Visit the zoo on weekends and take many photos of the animals.

4 Watch TV programs or videos about birds, monkeys, and other zoo animals.

問19 What is this story about?

1 A woman who reads books about animals in a classroom.

2 A woman who travels to many countries to care for sick animals.

3 A woman who works at a zoo where people eat lunch and take pictures.

4 A woman who spends her life helping animals with passion.


<語句リスト>

  • zookeeper  動物園の飼育係
  • volunteer  動 ボランティアをする
  • animal shelter  動物保護施設
  • help do  〜するのを手伝う
  • cage  (動物を入れる)おり、かご
  • feed A  A(動物)にエサをやる
  • nearby  形 近くの
  • care for A  Aの世話をする
  • take care of A  Aの世話をする
  • at first  最初のうちは
  • parrot  オウム
  • owl  フクロウ
  • living space  生活空間、生息空間
  • train A  動 A(人・動物)を訓練する
  • bear  クマ
  • prepare A  Aを準備する
  • behavior  行動、振る舞い
  • carefully  (細部に配慮して)注意深く、丁寧に
  • vet  獣医 ☞veterinarianの略語
  • scared  形 おびえた、怖がった
  • be worth A  Aの価値がある
  • protect A  Aを保護する、守る

それでは解説です。

ここではパラグラフごとに設問の解説をしていくことにします。

¶1   ①Anna Davis works at Green Hill Zoo in Canada. ②She has loved animals since she was a child. ③When she was ten years old, she started volunteering at a small animal shelter near her house. ④She helped clean cages, fed the animals, and even walked dogs in the nearby park. ⑤She enjoyed spending time with animals and learned how to care for them. ⑥Her dream was to take care of wild animals someday.

(①アンナ・デイビスはカナダのグリーンヒル動物園で働いています。②彼女は子どもの頃から動物が大好きでした。③10歳のとき、家の近くの小さな動物保護施設でボランティアを始めました。④そこで彼女は、ケージの掃除をしたり、動物にエサをあげたり、近くの公園で犬の散歩をしたりしました。⑤動物と過ごす時間が楽しく、どう世話をすればよいかを学びました。⑥彼女の夢は、いつか野生動物の世話をすることでした。)

問15 What did Anna do when she was ten years old?

(アンナは10歳のときに何をしていましたか?)

☞¶1の③When she was ten years old(彼女が10歳だったとき)に注目。アンナが10歳の時に何をしていたかは③④⑤に書かれている。よって、その内容に最も近い2 She took care of animals at a shelter.(保護施設で動物の世話をしていた)が正解。

¶2   ①After finishing university, Anna got a job at the zoo. ②At first, she worked with birds such as parrots and owls. ③She learned how to feed them, clean their living spaces, and train them for shows. ④Now, she works with larger animals like monkeys and bears. 

⑤She checks their health every morning, prepares special food, and watches their behavior carefully. ⑥If an animal looks tired or sick, she quickly tells the zoo’s vet.

(①大学を卒業した後、アンナは動物園で働くことになりました。②最初はオウムやフクロウなどの鳥の担当でした。③鳥にエサをあげたり、生活スペースを掃除したり、ショーのためのトレーニングをしたりする方法を学びました。④今では、サルやクマといったより大きな動物の担当になっています。⑤彼女は毎朝、動物たちの健康をチェックし、特別なエサを用意し、行動を注意深く観察しています。⑥もし動物が疲れていたり具合が悪そうだったりしたら、すぐに動物園の獣医に伝えます。)

問16 What animals does Anna work with now?

(アンナが今担当している動物は何ですか?)

nowに注目。¶2の④Now, she works with larger animals like monkeys and bears.(今では、サルやクマといったより大きな動物の担当になっています)が該当箇所。よって3 Large animals like monkeys and bears(サルやクマなどの大型動物)が正解。

¶3   ①The zoo is open every day, so Anna works on weekends and holidays, too. ②She usually starts work at 7:00 a.m. and finishes in the late afternoon. ③Sometimes her job is difficult, especially when animals are sick, scared, or not eating well. ④But she says it’s worth it because she loves helping them feel safe and happy. ⑤She also talks to zoo visitors and answers their questions about the animals’ lives.

(①動物園は毎日開いているので、アンナは週末や祝日にも働いています。②たいてい午前7時に仕事を始めて、午後遅くに終わります。③仕事が大変なこともあります。特に動物が病気だったり、怖がっていたり、食欲がなかったりする時は大変です。④でも彼女は「動物たちが安心して幸せになれるように手助けできるのはやりがいがある」と言っています。⑤来園者と話をしたり、動物の生活についての質問に答えたりすることもあります。)

問17 Why is Anna’s job sometimes hard?

(アンナの仕事が時々大変なのはなぜですか?)

sometimes hardに注目。¶3の③Sometimes her job is difficult, especially when animals are sick, scared, or not eating well.(仕事が大変なこともあります。特に動物が病気だったり、怖がっていたり、食欲がなかったりする時は大変です)が該当箇所。よって3 Some animals don’t feel well or seem unhappy.(一部の動物が体調不良だったり、元気がなかったりするから)が正解。本文のsick, scared, or not eating wellが、選択肢ではdon’t feel well or seem unhappyと、別の表現に言い換えられていることも確認しておこう。

¶4   ①Anna hopes more young people will become interested in animal care. ②She visits schools and gives short talks about her job. ③She shows pictures and tells stories about the animals she works with. ④“It’s important to protect animals and learn about them,” she says. ⑤“If more people understand animals, they will want to help them in the future.”

①アンナは、もっと多くの若い人たちが動物の世話に興味を持ってくれることを願っています。②彼女は学校を訪れて、自分の仕事について短い講話をします。③写真を見せたり、動物たちとのエピソードを語ったりします。④彼女は言います。「動物を守り、学ぶことはとても大切です。⑤もっと多くの人が動物のことを理解すれば、将来きっと助けたいと思ってくれるはずです。」

問18 What does Anna want young people to do?

(アンナは若い人たちに何をしてほしいと考えていますか?)

young peopleに注目。¶4の①Anna hopes more young people will become interested in animal care.(アンナは、もっと多くの若い人たちが動物の世話に興味を持ってくれることを願っています)と、④“It’s important to protect animals and learn about them,” she says. ⑤“If more people understand animals, they will want to help them in the future.”( 彼女は言います。「動物を守り、学ぶことはとても大切です。⑤もっと多くの人が動物のことを理解すれば、将来きっと助けたいと思ってくれるはずです。」)が該当箇所。よって2 Think more about how animals live and how to help them.(動物の生活や助け方についてもっと考えること)が正解。この選択肢は本文の表現を変形しているというよりも、本文の内容をざっくり要約しているパターンといえる。

最後は素材全体に関する設問の問19を解きましょう。

問19 What is this story about?

(この話は何についてのものですか?)

☞本文全体のまとめとしてふさわしいのは、4  A woman who spends her life helping animals with passion.(動物を助けることに情熱を捧げる人生を送る女性について)。他の選択肢が明らかにふさわしくないので、消去法で解いてもOK。

英文読解問題の学習対策まとめ

1) 「パラグラフリーディング」を実行しよう

英文読解では、1つのパラグラフが1つの話題(トピック・情報)を伝えています。ですから、パラグラフ単位で「何について書かれているか=そのパラグラフの中心情報」を短く1文でまとめる練習をするのが効果的です。各パラグラフのまとめを繰り返して、最終的には「英文全体のテーマ、筆者の主張、パラグラフどうしの論理展開」が脳内マップに描けたら理想的です(このような英文読解の仕方を「パラグラフリーディング」と呼びます)。英検®3級ではパラグラフごとに設問が解けましたが、今後はそのやり方が通用しない問題とも出会うことになるので、このような「パラグラフリーディング」を練習することを勧めます。

2)「キーワードに注目」して読むことを意識しよう

設問はよく、人名・場所・日付・数字・話題の単語などの「キーワード」を手がかりに答えることが多いです。ですから、キーワードを手がかりに「この設問の答えはどこに書いてある?」ということを探す練習をするのが効果的です。本文を読む際にも、設問で問われそうなキーワードである「人名・場所・日付・数字・話題の単語」に印をつけながら読むとさらに効果的です。本文と選択肢の表現がよく変形されるという話をしましたが、「人名・場所・日付・数字・話題の単語」などのキーワードはその変形がされにくい表現だといえます。つまり、選択肢と本文でも「人名・場所・日付・数字・話題の単語」などの表現はまったく(あるいは、ほぼ)同じなので、設問から本文の該当箇所へ戻るスピードが格段にアップすることになるのです。

3) 練習のときは「自分の言葉で説明する」力もつけよう

英文読解の練習では、問題を解いて終わりにせずに、各パラグラフや全体の内容を、自分の言葉で日本語にまとめてみるのがおすすめです。たとえば、「第1パラグラフは、このトピックの背景が書かれている」「第2パラグラフでは、筆者の主張の理由が説明されている」「全体として、○○が重要だという考えが伝えられている」…という感じです。こんなふうに、それぞれのパラグラフのポイントや、筆者が伝えたいことを整理することで、内容を正確につかむ力(読解力・要約力)がグッとアップします。ポイントは、「何について・どう考えているのか(=テーマ+主張)」を、自分の言葉でまとめること。この練習をくり返すことで、英文を読んだときに論理の流れや重要な部分をすばやくキャッチできるスキルが身についてきますよ。

それでは、次回も、英検®3級の世界を一緒にじっくり見ていきましょう!

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